バースディ・イブ

30分早い開園空は青 雲は白アーケードをくぐって着ぐるみを横目にスペース、スプラッシュ、ビッグ・サンダー得意げな横顔のグランドサーキット・レースウェイ 次はどうする? ってパークの地図を広げてモンスターズインクにがっかりスタージェットにもがっか…

インプット20XX

とりあえず始まったロング・バケーション 読みかけの本や齧りかけのエトセトラ行きたかった山やまた見たい海や空 クーラーの部屋から20XX年の夏へ せーので飛び出して白いノートを広げる頭のどこか深くで懐かしくて甘い歌 聴こえるさざ波のラインダンス そん…

Honey moon

サングラスは要る?サンオイルは要らない? 雑踏を泳ぐ朝夕のラッシュカレンダーにも腕時計にも飽き飽きしてもういいじゃんたまにはいいじゃん梅雨もまだ先のバカンス 低迷が続く軟弱な気温トリハダで心臓マヒ確定のダイブでもいいじゃんなんでもないじゃんき…

My Favorite iTunes

最近はわりと楽しくもある仕事から帰ったらマシンを立ち上げてディスクに音符のアイコンをクリック My Favorite iTunesMy Favorite iTunesプレイリスト「ヘビロ1」から My Favorite iTunesMy Favorite iTunesプレイリスト「ヘビロ2」へと 最近はいつも僕より…

薄氷

まだいまは薄く張った氷のうえ気をつけて気をつけて進むその手を離しはしないから あと少し降るような花の庭まで気をつけて気をつけて進もうきみを離しはしないから

ruby red melody

無造作に積み上げたCDプラスチックのケースの疵何かを思い出してる 細い首に絡むネックレス引き千切って泣かせたくなる縺れる指でキーを叩く 音もなくメロディー闇に響け僕はきみの声以外耳を失くす 唇の温度で僕よ届けこんな思いを伝える言葉なんてない 夜…

知らず

きみを思ったりはしない 酔い痴れて誰になのかささやかな誓いまた破って 組み上げたパズルを崩す また一から嵌め込むんだ忘れるためにまた思い出して 繰り返す夜欲しいものだけをなんとか忘れて だけど同じさよく似た微笑みに振り返ってしまう 何処まで 追う…

夏の手前のパラソル

この手を取ってねえお願いさただ頷いてみせて地下への階段で 細いヒールを響かせて微笑んで この手を取って秘密の箱の中へただ頷いてみせて午后の陽を避けて 2国の長い赤信号待ちかねて 欠伸をひとつ、ふたつ夏の手前のパラソル いまがこれが永遠でいい この…

菊水山で、愛を叫ぶ

夏の空いっぱいにすきだって叫んだ目を閉じて風に耳を澄ませた 電波塔と全身を収めようとするから両方遠くなるのは仕方がないんだって 言っても聞かないじゃあもういいってカメラを取り上げて台座に腰を下ろした 夏の青いっぱいに心は散乱する目を閉じればあ…

dead end

やっぱりってダッシュボードに置いたイニシャルを刻んだ銀の指環 ごめんねってどしゃ降りのあの道目一杯踏み込んだアクセル 危ないから ワイパーをまわしてってきみは言うけど どのみち僕には この先なんて何も見えやしないんだよ 泣き顔で精一杯微笑んで無…

遠い冬の海沿いの駅

電車をもう2本も見送って プラットホームの端降ったり止んだりの雪紺色のピーコート悴んだ指先俯いたままの横顔 短く揃えた襟足に北風 マフラーをしていたらな、って繰り返し夢にみる遠い冬の無声映画のなか動いているロープウェイ 見下ろした海よりはしゃぐ…

思い出の準備

あと何日僕たちは笑ったり 涙ぐんだり幸せで いられるだろう ただ毎日恋をしてできるだけ 強い言葉できみのこと 繋ぎ止めるけれど 会えば会うほど不安できみはどんどん綺麗になる僕はひとりで苛立つきみはだんだん賢しくなる もうこの手は届かない悲しいくら…

点火

ここからはボーリング場のでかいピンが見えるから 盆踊りの太鼓の音も切れ切れに聞こえるね あっちの打ち上げ花火を見に行こうか まあきっとここからも見えるだろうけど そういえばUFOのドラマ今日が最終回だったっけ 口数に反比例な受け止め続ける空気 でも…

ダンス・ウィズ・ミー

全部涸れきった! ってベッドにCDもMDもカセットも投げてあのドーナツ盤の上で踊った 可愛い悪魔を捜す 黒い翼に黒い尻尾をつけて真っ赤な嘴と宝石の瞳夜になれば決まって現れた 可愛い悪魔を捜す また取り引きをしようぜ何だってあげる さあ ダンス・ウィズ…

ある場面

アスファルトへ打った水が熱を冷ます もう夏の朱い夕暮れ振り返れば 風が渦巻いて高くふっと思い出した場面を 何処か遠くまで連れて追えば時を戻せるような もう一度、ともう二度と、を繰り返して 言い掛けた言い逃したあの言葉を 僕がまだ持っているならき…

続・夏の匂い

肩に凭れてはじける光を見てた 続く熱帯夜過去から吹いてくる風 そのひとはわらった本当に久し振り、ってオイルライターを擦って 揺れる火で赤い紙縒りを燃やした 視点をぼかしてとりどりの色を見てた そのひとはわらった少し変わったわね、って耳元にくちづ…

もう見ることは無いと思った夜明け

忘れはしないけど二度とは伝えない この胸を叩く雨叫ぶように身を任せて 花の終りの纏わりつく甘い空気振り払っても振り払っても 何処へも行かない捨て鉢な口癖も 炭酸の泡の最後の消えた音も 忘れはしないけど二度とは浮かべない 赤信号の向う一度さえ振り…

群青

夏の前の風が吹き抜ける夕方部屋いっぱいの日差し きみは微笑って浅く眠って 遠くで鳥が小さく鳴いた黄昏空は宇宙に変わる こうして何度もきみと何度も 一日の終りを見送ろうねえ涙が止まらないほど愛しているんだ 夏の前触れの燃えるような群青空は宇宙に変…

いまはむかし

最終の電車を待ってた白い息を吐いて 誰もいない駅で誰もいない心で あのトンネルを越えればもう過去になると知って 伝えた言葉はいろんなものが足りない 山道のカーブの数字をきみはただ数えて 変わる僕を責めた変わる僕を赦した 振り仰げば満天の星が一斉…

センチメンタル

今夜はバッドトリップさっきからタバコが弾かれたように指から落ちる人生は終わってみるまで分からない慈悲深い神が微笑むそれで本当に逃げ切れたつもりか残酷な神が哂う右手に万有、左手に虚無を持ち悲劇に喜劇、関心と無関心 僕の身の内に詰まっているモノ…

やさしくしないで

いつも無理ばかり言う​勝手に倒れるまで飲んどいて「気にしないで」 そんなの もうこれっきりね笑いながら言って次の電話で泣いて 僕ときみは 悪いとこばかり似てるそう呟いたら「いいところなんてあるの?」 わかってるよ 強がりと憎まれ口がきみの背骨 それ…

天女

羽衣を隠して 嘘をついた 知ってた?きみが信じてる偶然は全部ただの努力だった ほんとならすれ違うだけの他人だからそんなにも泣かないで いいんだ全部知ってたんだ 始めから運命なんかじゃなかった 羽衣を隠して 嘘をついた 羽衣を隠して 嘘をついた ただど…

春夏秋冬の向う側

嫌になった僕の代わりに誰か数をかぞえてくれないか どれだけの夜を越えてどれだけの朝を迎えてどれだけの想いを捨ててどれだけの思いを捨てられなくて 夢ばかり見る僕の代わりに誰か話を聞かせてくれないか 巡る春に咲いた花の色を過ぎる夏に打ち寄せた波の…

ラブレター

繋いだ手を離さないで離さないで 瞬きで 消える夜にはきみの声を聴かせて 雨にうたれながら星を探す僕の囁きにきみが微笑う走り過ぎる車のライトが たまにきみの薬指を照らす 夜は いつまでも蒼いいつまでも蒼い 雨にうたれて星を探すきみと覚えた歌をくちず…

rescue

もういまはすべてが夢のようで歓びも痛みも細切れの記憶の中 会うたびに変わっていくねきみはしたたかに綺麗にもうきみはきみじゃない どんなふうにすきだったどんなふうに想ってた何もかも思い出せないどんな声で囁いてどんなきみを抱きしめてこれは夢だか…

ミラーボール

煙のせいだ、って泣きたくなると怒る 夜毎の smokin' & drinkin'ついでの singin' & dancin' 煌めくミラーボールは無数の光と欲を弾き返していた ずっと、なんて思っていたかもしれない 続く smokin' & drinkin'失くした singin' & dancin' 煌めくミラーボー…

お終いのくちづけ

朝まで眺めていた空願い事は何だっただろう お終いのくちづけに流れ落ちる涙はきりがなく きみを きみを誰よりも大切におもうから きみよ きみよどうか微笑んでいて 薬指に絡めた糸不器用な結び目は何度も解けて 一足ごとに振り向いては風花の街に影を探した…

dice

まだ今も忘れられない人がいる その方が全然気楽でいいわ 夜は始まった胸の奥を舐めるように焼く焔に息を止めた ショット・ガンを呷って快楽を貪ってふたりそれでも一秒が棘のようにふたり 様々な香にあぶられて煙に溶け出すレゲエ真夜中ってのが何時だかお…

悪癖

「どこか遠くまで連れて行ってあげる」 懐かしい夜懐かしい沈黙 さよならとさよならと 「思い出すための時間だったくせに」 色のない夜色のない沈黙 さよならとさよなら、と いつかの夏の終わりの花火見上げて息を詰めた 華やかな夜華やかな沈黙 受話器を先…

37℃

あの岬から撫でるように吹く風を浴びたくてここへ来たんだ 景色はいらないから僕は眼を閉じる瞼に感じるオレンジ名残は甘く 熱くこの胸を締めつける ひとりは厭だと拗ねて泣けばすぐに絡みつく白い手幻で構わないなんてもう絶対に言わないよ 過ごした時間は…