どうも、九月水曜です。 幼少の頃より、詩のような、詞のような、とにかく文章を書いています。 現在も僕の部屋の本棚以外に存在しているのか不明ですが、本を出しています。 『BGM』 文芸社 2002年 前時代的なHPもやっています。 きみと、夜と、琥珀のお酒…
行き止まりの夜はいつもこんな色をして 薄明かりのよく知らないバーカウンター あの沈黙もこの結末も 誰のせいでもない ってことにさせて そう言って笑うはずの 声がうわずって 髪が指が輪郭が眼差しが 滲んで光るけど 頬の内側を何度も噛みしめて 一粒も零…
時間は本当に流れてるんだろうか 入道雲逆光線アルバムに入りきらない 僕の夏僕の恋灼けて眩む昼下がり その髪その声抱き合ったまま 死んでしまえたらよかった その肩その指溶け合ったまま 死んでしまったらよかった
沈む間際それは一層燃えて 白い横顔を真っ赤に染めて 潮騒と鳥の音と星の群れを残して消える 手探りで互いの頬に触れる この火照りは名残か心なのか この火照りは名残か心なのか
好きなモノだけ隙間なく積上げた部屋の外は情報の渾沌 惹かれたり逃れたり取込んだり塞いだり何より自身の 世界の狭さを痛感するけれど別にこのままでいいやと思う たかが僕だよひとりじゃ泣くのも儘ならない たかが人間だよ生きて死ぬのには十分 きみを愛し…
恋のカタチの胸に穴が空く 仰向けに倒れてそれは宙に浮んで 僕は目を閉じて過去に耳を澄ます こんな時に破る約束があったはず
さよならを心に隠してきみは何でもない顔して ルーフを叩く雨の音が古い恋の歌を掻き消す 濡れた髪もかまわずシートに凭れて口遊む それは聞き取れないのか僕が聞きたくないのか この先の信号を右へ次のカーブを曲がれば 色も音も無い海に貼り絵の船だけが浮…
知っていたその匣の封印を解いたら 閉じ込めた夕立と短い口づけと そのあとの青空も涙も ごめんね と動いた唇も 何一つ受け止められないと 知っていた同じ言葉でも違う心だと 知っていたどの物語でもずっと脇役だったと
過去を思う未来を思うパラレルの世界を想う 生を思う死を思う三叉路の果を想う 悪にも善にも倦んで膿んで 仮想の仮装の空間の亡霊の 声も聞ず姿も見ず身一つで身勝手に 季節の端に昼夜の隅にいまも潜むきみを詠う
心と頭で裏をかき合ういつまで言葉に無を纏わす 何が本当かわからない願いは遠くに見える山の あの夜になりかけの辺り いつかの夜になりかけの辺り
約束で外堀を埋めて此処にいる だからって逃げられないと思ってるの 真夜中そろそろ酔いも回って 赤い甘い嘘によく似た 記憶を辿る空を飛ぶフリで だいじょうぶなんの翼も無いから 取り出したるは千本の針 だいじょうぶタネも仕掛けも有るから
僕と君の7年間が 少しずつ変わっていく 絶対に譲らなかったワガママを 堪えてそっぽを向く 寝言で甘えて鳴く ダメの化身みたいだった 君を忘れないよ 次にきっと逢えたら 今度はずっと末っ子でいさせるから 鳴かないで泣かないで 君を愛しているよ
遊びのルールも勝ちの定義も選べたのに 実より名が好きな人間がどうやら多い ところでそっちは賑やかそうだ 空腹も重力も地上に棄てて
古いテレビが 砂嵐になる頃やっと眠る 盗んだボトルで 血中のアルコール濃度満杯にして 綴った手紙は 一度も誰にも出さずに 夢を見てた 望む姿で望まれる姿で 夢を見てた 病める時も健やかなる時も
細い煙草に火を点けて白い呪文を吐き出して もう忘れてしまえそうで最後にその名を呼ぶ もう忘れてしまえそうで一度だけその名を呼ぶ 吹き溜りの夜の最初に僕を愛した 細い煙草に火を点けて もう忘れてしまえそうで 白い呪文を吐き出して 一度だけその名を呼…
役回りは、きっと。 隕石や、氷河期や、磁気嵐や、そっち側。 究極に、それが何? 生きる、殺す、立ち止まる、進む、振り返る、忘れる。 そうやって、亡んでく。 死にゆく僕も、死にゆくみんなも、がんばれ、がんばれ、 間違いついでに。乱痴気ついでに。
これが最後こんな夜はね 一生に一度二度、三度 知ってる嘘吐きだからねなのに抗うからね 始末に負えないそのメモリーを消すのが罰なのか 消さないのが罰なのかいっそ 失くすとか壊すとか 全部忘れるとか全部 全部全部 全部 全部
その列には並ばないそこに求める物はない 並ぶ者にも何もない 網中の 灰色の 人影のいっぱいの 空っぽの 欲望の 吹出しの 山積みの 掃溜めの有象無象の 劣等発の そのバスには乗らない手の鳴る方へは行かない 鳴らない方へも行かない 開闢の 歪形の 果ての成…
生活と非生活とのスイッチを切り替える いつしかクロオビくらいさ奏でる トースター笛吹きのケトルと全自動洗濯機 逆さに振れば二人だけの夏がこぼれるわ 浮かぶ面影を 思い出さないための思い出もある 願わないための願いもある そんなものって笑って そん…
僕にとって神はずっと祈るためじゃなく呪うために居た 生まれつきの歪を引き摺って人生は分の悪い消化試合 だったいつまでも隠れていられるスカートの陰を手に入れるまでは 裾をぎゅっと握りしめて何も変わらないけど赦すよ 僕も神もこの人生も何も変わらな…
殺処分て文字を見る度息を止めて心を空にする出来ることは何もない楽になりたいなら祷ればいいその苦さすら気楽だよ込み上げてきたものは口元で笑いに変わる 否定は肯定を肯定は否定を呑み込み合って その吐露がもう気楽だよ朱いままの手を洗わない洗うどう…
きっと ってそんなに確かじゃないって わかった頃にはもう会えなくなってて つづく空の下 なにも願わないから時は往け 花の香りを潜って歩いた秋の くちぐせも約束も なにもかも連れてただ 時は往け
ぎゅっ ともっとさせてほしいだけ ここをこのむねをぎゅっ と だってわからなかったこのほしのるーる もそのいみも ぎゅっ とそれだけがほしくて うしなったりえたり もたのしくて よせるなみの あらうつきの うさぎがはねる ふつう でいたん の ほら うさぎ…
好奇心 と二度言って 全身にかかる重み 合わせて1400mlの余韻に溶け パイ山で朝マック 何度も流れてきた視線 大丈夫秘密を守るのは得意だよ 大丈夫片想いはもっと得意だよ
許されなさに歯噛みして安心して 手を繋いだりキスしたりその度に 罪を量る出来るだけ 傷付けないように互いに 笑い飛ばす駄目なのも足りないのも 僕だったのにごめんねって 言えずにこんなに遠くなった 言えずにこんなに遠くまで来た こんなにどうしよう生…
そこから這い出て二本の足で歩く海水に似た僕らは 永い進化の果てに何処へも還れず朽ちていく元素の集り それでもこの生は歓びに溢れた 何度も投げ出そうと思った割りに ね、熱い砂に耳をつけて目を閉じて ね、今帰仁の波の音が聴こえない?
光る雲が目に痛いほど晴れた空シャッターを切る微笑みと細い頸にかかるフレアその後ろから洪水のような蜩背を伸ばして陽を受ける向日葵今にも動き出しそうな夏今にも動き出しそうな唇
世界なんて所詮知ったことかそれだけ 振り翳す大義に馬鹿だからさ愛を潜め きみを傷つける何もかもを僕は赦さない苺とシャンパンで誓う死ぬほど軽い 知りもしない時に言葉はその意味を失うと だけど馬鹿だからさ足りない同士抱き合えるって 馬鹿だからさ愛を…
日々の暮しにきみがミロを持ち込んで2ヵ月 どうして一度も賞味期限内に牛乳を飲み切れないのか きみはきっと眼中にないけど 僕はすごく気になる期日の過ぎたのを見つけてはミロを作る なんなら最近は僕の方が飲んでる僕の方が飲んでる なのにまたきみは牛乳…
何処かで音がするもうすぐ四方から崩れ出すだったら 列には並ばずに馳しる 熱情と悔恨と結果恋慕の旗だけを翻し 忘れない名前に顰める眉も余所に馳しる 偶然のアディショナルタイムと駆け比べるこれが 最後なら派手に 一度の祭だきみへ手を伸べて 僕の火だま…