2021-06-22から1日間の記事一覧

いつかの雨の、夜の2国の

さよならを心に隠してきみは何でもない顔して ルーフを叩く雨の音が古い恋の歌を掻き消す 濡れた髪もかまわずシートに凭れて口遊む それは聞き取れないのか僕が聞きたくないのか この先の信号を右へ次のカーブを曲がれば 色も音も無い海に貼り絵の船だけが浮…

2021/04/23

知っていたその匣の封印を解いたら 閉じ込めた夕立と短い口づけと そのあとの青空も涙も ごめんね と動いた唇も 何一つ受け止められないと 知っていた同じ言葉でも違う心だと 知っていたどの物語でもずっと脇役だったと

2021/04/18

過去を思う未来を思うパラレルの世界を想う 生を思う死を思う三叉路の果を想う 悪にも善にも倦んで膿んで 仮想の仮装の空間の亡霊の 声も聞ず姿も見ず身一つで身勝手に 季節の端に昼夜の隅にいまも潜むきみを詠う

2021/03/21

心と頭で裏をかき合ういつまで言葉に無を纏わす 何が本当かわからない願いは遠くに見える山の あの夜になりかけの辺り いつかの夜になりかけの辺り

2021/02/17

約束で外堀を埋めて此処にいる だからって逃げられないと思ってるの 真夜中そろそろ酔いも回って 赤い甘い嘘によく似た 記憶を辿る空を飛ぶフリで だいじょうぶなんの翼も無いから 取り出したるは千本の針 だいじょうぶタネも仕掛けも有るから