埋もれてあげる

行き止まりの夜は
いつもこんな色をして

薄明かりの
よく知らない
バーカウンター

あの沈黙も
この結末も

誰のせいでもない って
ことに
させて

そう言って
笑うはずの

声がうわずって

髪が
指が
輪郭が
眼差しが

滲んで光るけど

頬の内側を
何度も噛みしめて

一粒も
零さない

何一つ
渡さない

約束は
反故にして

時間を
巻き戻して

途中から
なんにも聞いてなかった って
怒る

笑う

嘘と冗談を
休み休み

最後は
友達に戻って

時のなか
揺蕩って

記憶に
埋もれてあげる