2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

1985年のカメレオン

記憶の中の夕焼けはいつもとても赤いんだ それは僕の擦りすぎた瞼のせいかもしれないけど 別れ際ばかみたいに何度も振り向いて夢を見たっけ ポータブルのラジオから流れてきたポップソング "赤・金・緑 赤・金・緑"僕のすきだったカメレオン ジンクスをかき…

砂浜を走る

藍が闇に変わり 風が騒ぎ出せば途切れた時間の続きが始まるよ ほら微笑むきみが浮かぶ 砂浜を走る きみを捉まえたくて縺れる足で あの砂浜を走る 月が高く昇り 波が目を覚ませば渇いた心は一瞬で満ちるよ ほら波間にきみが浮かぶ 幾千の悲しい歌を祈りのよう…

十月

熱いコーヒーを淹れて並んで星を見ようまだ残る酔いのまますきと囁いた 十月 出逢いの景色をきみは憶えてる?こんなふうな夜だったね星が怖いほど 光って ああ 時の流れは早いね何も変わっていないと信じるのは 難しいね 開け放した窓から金木犀が香る涼しい…

東京ディズニーランド

これが最後だねって笑い合ったアトラクションミッキーマウスが踊る 白雪姫は眠るネバーランドを目指す 僕たちはゴンドラに乗る カリブで海賊たちは戦いお伽話はトゥーンタウンに潜むきみの声がすきだ その笑顔がすきだ言えないけど 明日も明後日もその先もず…

FOOL

きみがすきだったあの頃なら いまよりきみに近かった伸ばせば 届いていたかもしれないこの手は 嘘ばかりを書く 何度か合った眼を あの角度を僕のものにした夏の記憶に閉じ込めて 激しい雨眠れば きみの夢をみる なにかは溢れて なにかが足りなくて息苦しいほ…

永遠が見える

その髪に触れて そっとくちづけてきみの心を知りたい 眠り込むきみ やわらかな息同じ夢がみたい きみのバースディ 海辺の午後空は青く眩しく今年最後の入道雲 こんな日は 永遠が見える雲の隙間に天使が隠れるこんな日は 永遠が見えるよきっと きみにもわかる…

海に降る雪

何も言わないで 雪が音も無く 海に降るから このままで埋(うず)もれてもいいじゃないか このまま埋もれて死んでもいいじゃないか 冷たいてのひらに触れてきみは横を向いた照れたのか 困ったのかもう 分からないけれど 海へのゆるやかな坂を並んで下る途中さ…

全部賭けたユース

ピンクのシャンパンを頭から浴びて映画の真似して苺を頬張って夜じゅうのファンダンゴ ありったけのペイン粉々に砕けたユニバース 言いたいことはもうないと 見つめ合って動けないで 爪を噛んで 躓いて倒れてグシャグシャに酔っていちばん大切なトモダチだと…

天気雨

後ろに隠したものを見せてよ手の中に握りしめてるものを見せてよ 本当の気持ちを言ってよくすくすとそうやって笑ってないで言ってよ あまいあまい歌の向こうに僕らが見たものは天気雨に消えるんだ いつもそうだったろ? 親指を立てて人差し指を伸ばしてきみを…

閃光

どこまで走れるだろう夢の裏側にきみを隠したままいつも 間違えた地図でいまも 止まった時計で ねえどこまで走れるだろう 巻き戻すスローモーションそしてあまいフラッシュバック頷くことでしか 頷かないことでしか心を伝えられずに どこまで行けるだろう後…

青い夜

きっといまも膝を抱えてきみはどうしてる? こんな夜の中きみは何を思う? こんな青い夜の中 虫の声に包まれて全部忘れたみたいに踊った遠い海が見えるあの部屋で全部忘れたみたいに笑った 泥になるまで飲み明かしてイヤな子供だね 僕が言ったら法律は正しいっ…

なんでもない話

いつも待ち合わせた店のいつもの席で給料の三ヶ月分 なんてふざけておもちゃの指輪をカウンターに置いた小さなガラスのダイヤモンド きみはちょっと微笑って薬指にはめた きみの住む部屋の窓の外には百萬ドルとかいわれてる夜景全然たいしたことなんかないの…

78.6MHz

ちょうど10年前 ラブソングまるで僕らだって 浮かれて 無邪気な看板に 鉄柵に 枕木に八つ当たって 乗り越えて 寝転んで ばらばらにしろよ ってしてよ ってどうしようもない純情を受け止めるフリで いろんなものを投げて 捨ててまだいまも駆ける 欠ける 月願…

きみがすきで泣きたくなる

夜明けの裏通りを野良猫に声をかけながら走って僕らは僕らでいるんだと大声で 笑って朝のなかを走って 時間なんて知らないと未来なんていらないとそうやって 生きていくんだと淋しい僕らは駆ける うたかたの夢と わかってて かき集めて そして抱き合って く…

ロゼ

風に吹かれて きみを抱きしめる頬に触れる 桜色の 爪を齧る 夜明けを見よう 屋上にのぼってポケットには 凍るロゼ きみの好きな くちずさむ歌は 月へ飛ばして言い換えると ここにいて 僕に触れて 小鳥みたいに ついばみ合って冷えたカラダ 燃えるロゼ きみの…

Spring Beauty

恋のしすぎで死ぬかも なんてきみを見つめながらおもう照れたようにこっちを向くその視線の先に 僕はいないけど なんできみはそんなに綺麗なんだろうなんできみの声はこんなに僕に響くんだろう なにひとつ うまく言えたことなんかないなんで僕はまだ大人じゃ…

夏の匂い

気紛れさだけが きみのすべてで僕を掻き回すのは きみの悪い未練で明け方の街は もう夏の匂いがする きみが置いてきた 温もりと溜め息が消えてしまう前に帰るって気づかれないうちに帰るって今年も天の川は 見れそうにない まずは嘘に慣れて次に待たされるこ…

しずかな凪

泳ごうよ 月夜だし 真夏だし昔話はもういいよ 泣かなくていいよいまこうしてきみは 此処にいるんだし 暗い海に 船の灯り きみのキス頬があたたかい 懐かしい息これは、そうだね 永遠だね 砂を駆けて 飛び込んでサーチライトに浮かぶ水しぶき何も言わなくても…

スマイル・フォー・ミー

これ以上 先なんかないって分かっていたけど僕が手をぎゅっと握るたびに きみははにかんだように微笑ったから つるつるに凍った道を見たこともないくらいはしゃいできみと走った 真夜中のオリエンタルペン型のエレベーター目指して 白い息を まるで汽罐車み…