十月

熱いコーヒーを淹れて
並んで星を見よう
まだ残る酔いのまま
すきと囁いた 十月

出逢いの景色を
きみは憶えてる?
こんなふうな夜だったね
星が怖いほど 光って

ああ 時の流れは早いね
何も変わっていないと
信じるのは 難しいね

開け放した窓から
金木犀が香る
涼しい風に吹かれて
きみが嘘をつく 十月

なぜ 遠い約束ばかり
人は交わしたがるんだろう
こんな時に 困るのにね

あまい香りにうかされて
嘘に頷いた 十月