蜜
取っておいたんだこの言葉は10年目のきみに絶対に捧げようって きっと言ったってちらりと見てお好きにどうぞ横顔だけで応える だけどさそういうところが好きだからまったくしょうがないよね ブランケットを取り合う雨の午後に決まって僕らは夢の話をする ク…
リゾートホテルの広いバスタブで三度目のハッピーバースディ'sキスして 目覚めた今日の行き先は夢の国の夢の海まずはあのタワーへ 今なら20分待ち大急ぎで回廊を抜けてシリキ・ウトゥンドゥの謎を解いて 手を振って 急降下その前に 笑顔でピースサイン 次の…
30分早い開園空は青 雲は白アーケードをくぐって着ぐるみを横目にスペース、スプラッシュ、ビッグ・サンダー得意げな横顔のグランドサーキット・レースウェイ 次はどうする? ってパークの地図を広げてモンスターズインクにがっかりスタージェットにもがっか…
とりあえず始まったロング・バケーション 読みかけの本や齧りかけのエトセトラ行きたかった山やまた見たい海や空 クーラーの部屋から20XX年の夏へ せーので飛び出して白いノートを広げる頭のどこか深くで懐かしくて甘い歌 聴こえるさざ波のラインダンス そん…
サングラスは要る?サンオイルは要らない? 雑踏を泳ぐ朝夕のラッシュカレンダーにも腕時計にも飽き飽きしてもういいじゃんたまにはいいじゃん梅雨もまだ先のバカンス 低迷が続く軟弱な気温トリハダで心臓マヒ確定のダイブでもいいじゃんなんでもないじゃんき…
最近はわりと楽しくもある仕事から帰ったらマシンを立ち上げてディスクに音符のアイコンをクリック My Favorite iTunesMy Favorite iTunesプレイリスト「ヘビロ1」から My Favorite iTunesMy Favorite iTunesプレイリスト「ヘビロ2」へと 最近はいつも僕より…
まだいまは薄く張った氷のうえ気をつけて気をつけて進むその手を離しはしないから あと少し降るような花の庭まで気をつけて気をつけて進もうきみを離しはしないから
無造作に積み上げたCDプラスチックのケースの疵何かを思い出してる 細い首に絡むネックレス引き千切って泣かせたくなる縺れる指でキーを叩く 音もなくメロディー闇に響け僕はきみの声以外耳を失くす 唇の温度で僕よ届けこんな思いを伝える言葉なんてない 夜…
この手を取ってねえお願いさただ頷いてみせて地下への階段で 細いヒールを響かせて微笑んで この手を取って秘密の箱の中へただ頷いてみせて午后の陽を避けて 2国の長い赤信号待ちかねて 欠伸をひとつ、ふたつ夏の手前のパラソル いまがこれが永遠でいい この…
全部涸れきった! ってベッドにCDもMDもカセットも投げてあのドーナツ盤の上で踊った 可愛い悪魔を捜す 黒い翼に黒い尻尾をつけて真っ赤な嘴と宝石の瞳夜になれば決まって現れた 可愛い悪魔を捜す また取り引きをしようぜ何だってあげる さあ ダンス・ウィズ…
夏の前の風が吹き抜ける夕方部屋いっぱいの日差し きみは微笑って浅く眠って 遠くで鳥が小さく鳴いた黄昏空は宇宙に変わる こうして何度もきみと何度も 一日の終りを見送ろうねえ涙が止まらないほど愛しているんだ 夏の前触れの燃えるような群青空は宇宙に変…
あの岬から撫でるように吹く風を浴びたくてここへ来たんだ 景色はいらないから僕は眼を閉じる瞼に感じるオレンジ名残は甘く 熱くこの胸を締めつける ひとりは厭だと拗ねて泣けばすぐに絡みつく白い手幻で構わないなんてもう絶対に言わないよ 過ごした時間は…
何でもいいから自分の文章を書きなさいって 僕のなかにあるのかないのかさえ分からないモノ 一緒に探してくれるの? そんなのいいから一行ずつでも書きなさいって 自分で決めたのなら迷わず進みなさいって 包まれてふわりと浮かぶ 僕の手の中の小宇宙生まれ落…
無邪気な熱できみにたくさんの印をつけながらここはまだ安全だとどちらからともなく 伸ばし合った腕で先へ先へと進んだ熱はもう無邪気さを失いすぐ向こうの崖に気づかないまま 跳べるだけ 跳ぼうよ 震えていた僕もきみも 昼下がりの暗い部屋で正体もなく溶け…
夏が気配を潜めた次の季節を雨音が連れてくる 空模様はまだ低気圧何処かではまた暴風雨 光る画面で言葉遊び僕は現実と仮想現実を行ったり来たり 画素の粗い動画で誰かが世界は自分のモノだって歌ってた そんなもの僕は要らないなどちらかというと小さなカプ…
それって幾つまでなら重なっても偶然て呼べるんだろう もう奇蹟だって思ったきみは運命の人なんだって 苦しくて何も手につかなかった心が次の瞬間には手が届かないほど空にある 泣いてた夜明けをきみが違う色に染め替えた 囁きは耳よりも心に響くからただ二…
カラカラのインジケーターFULLが点灯するまで 流し込むENERGYきみ時々スコッチ やっぱりね、って 微笑ってくれよそれだけでいいんだ微笑ってくれ もう落ちていく陽時計の針を止めようと 薄いガラスを割る指の先の光の粒と 加速するFRAILTYうそ時々ナキゴト …
外は寒くて部屋は狭くて仕事は退屈で地下道は窮屈で 朝は早くて夜は短くて電車は満員で財布は空っぽで なのに困ったな 幸せなんだ きみは西へ僕は東へまだ週末まで三日もあって なのに困ったな 幸せなんだ ただいまって抱き合うそれだけを待って 困ったなす…
社会生活に手探りの参加負け犬にさえなれず虚しい遠吠えそうじゃない目指すものが何もないのは悪いことじゃない寧ろ良いことだと でも全部は無理なんだよ無理は嘘なんだよそんなことばかり 甘やかしに慣れてばっかり 赤いシグナルがチカチカ逃げ込める腕を僕…
小さな夜の片隅で僕らは猫の真似をして言葉もなく寄り添い合う朧月に照らされて ふと明け方の迷宮夢の怪物に追われて息切らせて逃げ込むんだそこはまるで 未来のロボットのポケットの中何だってあるんだ不可能なんてないんだ その温かさに頬を埋めて不安の影…
もう疲れたんだ って大声で叫んでしまいたい だって、どうすればよかった?教えてくれよ 望まない役割1ミリの感情もない笑顔全部自分のせいだってそんなの知ってる 夜毎の夢に浮かされるのか 魘されるのかどっちでもいいんだよ 踏み出した一歩が正しいのか 正…
僕を支配する甘い欲身を任せてみようか果てまで 辿りながら触れた始まりの午後は薄く暗く登っては降る曲線 道化も演じきれず貪りつくす独りふたりどうしようもなく離れ難く 時が星が流れてもただ蜜を集めて巣の奥へ深く おそるおそる掴んだそれはまだ名前を…
気温がまた上がって再生ボタンが押される 擦り切れて擦り切れて雨降り映画のような あんまり青い空だから錯覚した奇蹟はこの手のほんの数センチ先にあるって 梅雨の晴れ間だって天気予報が言ってた 目の奥で目の奥で小さな日傘が揺れる あんまり青い空だから…
目を閉じていつかの夏の夢をみる きっと冷蔵庫より冷えたキッチンで 白い息を吐いてもこもこと着膨れして412円のワインで暑い昼下がり 日傘の柄くらい華奢な手を振った 横断歩道が溶ける国道の向う側 青に変わる瞬間どくんと音が鳴ってそれからどきどき って…
天気雨を横目に夏の歌ばかり聴いていた きみのいない休日はつまらなくて淋しいから真っ赤になるまで魚を探した背中とか 内緒の写真を見てたら もっと淋しくなって今日の予定も忘れて心は in the air 時計の針を睨んで気のせいかだんだん遅くなる だけどもう…
一頻り降った雪は白く僕らを閉じ込めて冷蔵庫みたいな部屋のここだけは温かな繭の中 互いの身体に腕をまわす幼い泣き顔を僕に埋める どれだけ泣かせてもどれだけ傷つけてもきみは僕のもの 細い指先の力がきみの悲しみを伝える我儘な胸が呟く強くも優しくもな…
輝きはもう遠ざかるもう冬の気配 手袋越しに細い指を握って赤い頬に触って いつでも確認する 淋しさを教科書の余白にノートの隅っこに 書いた頃より単純になったのか複雑になったのか 未来はここにあるのか いつでも確認する この場所は失くなりはしないのか…
「もう歩けはしないな」そこから一歩か、せめて半歩は進んだつもり どこへ往こうどこまで往こう目指す場所はやっぱり僕には遠い 「頑張ってみるよ」ってごめんね繰り返しでも、少しは愛せたかな どこへ往けるどこまで往ける想いだけなら悠々と大空を舞う 心…
雨のベランダは車の音しかしなくてメゾン・ド・アコールの静かな雨音を窮屈な空間をその向こうの無限の未来を思い出す 僕らは其処に立っているのか いないのか 人生は迷路だといつか誰かが歌ったケ・セラ・セラさ欲しいまま抱き合い恋のまま見つめ合い幾通り…
さよなら、早起きさよなら、人込み 僕は大丈夫だってきみがいるから さよなら、平日さよなら、休日 たまにはのんびり夜空を眺めて そこにはきっと幸運の星が輝く手を伸ばしてきっともう掴める さよなら、ジンクスさよなら、エクスプレス 古来からの言霊って…