37℃

あの岬から
撫でるように吹く
風を浴びたくて
ここへ来たんだ

景色はいらないから
僕は眼を閉じる
瞼に感じるオレンジ
名残は甘く

熱く
この胸を締めつける

ひとりは厭だと拗ねて泣けば
すぐに絡みつく白い手
幻で構わないなんて
もう絶対に言わないよ

過ごした時間は
僕を強くしたかな
それとも弱くかな
判らないけど

もう海の向こう
遠ざかっていく今日を
見送れるならいい
僕らのままで

熱は
確かにこの胸にある

重なりながら倒れる背中に
孔雀の羽根のような夜空
唇はもう震えないけど
心はいまも震える

きみが
この胸を締めつける

ひとりは厭だと拗ねて泣けば
すぐに絡みつく白い手
幻で構わないなんて
もう絶対に言わないよ

重なりながら倒れた背中に
孔雀の羽根のような夜空
映すきみの眼の隅に
あるがままの僕

幻で構わないなんて
もう絶対に言わないよ