跳ぼうよ

無邪気な熱で
きみに
たくさんの印をつけながら
ここはまだ安全だと
どちらからともなく

伸ばし合った腕で
先へ先へと進んだ
熱はもう
無邪気さを失い
すぐ向こうの
崖に気づかないまま

跳べるだけ 跳ぼうよ

震えていた
僕も
きみも

昼下がりの暗い部屋で
正体もなく溶けて
押し寄せる波に
さらわれる度
離れがたく融けて

夜が明ける頃
胸に
きみだけが残った
この想いにはきっと
名前さえなく
きみだけが残った

跳べなくても 跳ぼうよ

もう震えてはいなかった
僕に
きみだけが残った

僕に
きみだけが残った