2019/12/21

死ぬまで僕が憶えているからどの失敗もどの間違いも 死んでも僕が背負って行くからだからきみは 忘れてくれないかな何なら全部僕も忘れてみせるから 笑っていてくれないかな笑ってくれないかな 出来る事は何もないのにただ愛しているんだ 笑っていてくれない…

2019/12/14

白い息の帰り道には 燥いで見つめ合って ポケットで手を繋いで 明滅するアラームを 聞こえない振りで抱き合って 最終のホームで向かい合う 駆け出して何もかもじゃなく 一つだけ変えられたなら 神様何もかもじゃなく 一つだけ変えられたなら

2019/12/13

大事なところはいつも嘘をつく暗黙の 由来はこちらだから責めるわけにも 始まりはドラマティック さよならはロマンティック 大事なところは最後まで嘘をつく暗黙の もう 馬鹿馬鹿しいほど見え透いた優しさで

2019/12/10

失われてゆく海も土も何時まで涸らす声も めぐりめぐる 消費の為だけの命も何処まで燃える森も ピンで止めて この世でも あの世でも誰にも謝らない覚悟はできたから 夜更け好きな歌や 何のことはない存在の証明の 何のことはない卑小な愛を 囀ろう

2019/11/30

その大雪は予報通りで知らなかった振りをした ライトに舞う光る欠片を違う気持ちで見つめていた カーステレオで恋の歌が続くぼやけた六等星だけど 頬に受けた視線の意味はたぶん分かっている カーステレオで恋の歌は続くぼやけた六等星だけど

2019/11/23

どうせ安い涙だと 笑うでもなく笑ってショットガンを呷って この夜忘れないでよね って 街はセロファンの光 笑うしかなく笑ってくだらなく抱き合って 誰もが魔法が使えたなら なんて忘れてしまってね って 死ぬまで忘れないけどね って 死ぬまで忘れないけど…

2019/11/18

果てしない空間の切り取られた片隅を小さな画面が映す心象と事象の羅列 不意に熱っぽさが消え 目を離せば眩しい空 ああ 僕は信じたものと生きていこう ブラウスの色を選ぶ真剣な横顔が何を今さら、って目の端で微笑う 僕は僕のすべてだけと心中する

2019/11/13

いつも浮ぶのは横顔 その僕にじゃない笑顔を追いかけて 100分の1目が合う 一生言わないつもりの言葉が胸で騒ぐ なに?って 口パクで言って首を傾げた 1985年それが 5月のハイライト忘れじの

2019/11/04

変わらないでいることは諦めたから 焼き増しした記憶や交わさなかった約束で飾りつづけたこの部屋ももうやがて朽ちるだろう 緩やかに傾くトワイライト 短いフィルムの中で接吻を交わす 巻き戻っていく歪なラブストーリー 短いフィルムの中接吻を交わす

2019/10/30

随分前に行ったきりのいつまでも続く城壁の向うの青空を思い出す 遮るものの無いその大きな空に 五つ子の入道がのんびりと流れて 時を重ねてふたたびその地に舞い降りる壮麗な不屈の朱い城を思う 古の物語に未来を照らして

2019/10/23

嘘をつく花火まで楽しんだら帰りの 電車に間に合わないけどどうする、って 眼の奥のイエスとノーを見極めて演じる きみがおもう様に僕もきみを好きだと 上がり続ける花火に照らされて 嘘をつくきみがおもう以外にはどんな気持ちも無いと 手を 繋いで手を 繋…

2019/10/14

生まれた理由に興味はないもう今はね ただこれが最後の夏だとして きみに恥じない僕でいたいなんて思うもんか 最低でも顔も見たくなくても忘れないで忘れないでいて 最低でも顔も見たくなくても 忘れないで忘れないでいて

2019/09/30

ウェザーリポートで赤いカクテルで酔ったフリのきみは前髪を焦がして 細いメンソールの煙を操って唱えた呪文ならとっくに効いている パーキングから海へ大橋はダウト赤いカクテルからもう一度やり直し ウェザーリポートまで辺縁系を西へ

2019/09/21

最後は泣くのにそうやっていつでも笑うんだな 仲直りのきっかけを投げ合ってそのうち糸は切れて また会えたら って行き止まりの 標識の手前で手を振った ダメなのはいつも僕だっていまでも笑うのかな 雨の中嘘つきと強がりで 色の無い唇を震わせて

2019/09/07

酔ってふざけて立てた誓いは脆く破られ上弦の今宵 誰に話そか歌ってみよかそれともきみにさよなら云おうか 今は昔と笑って泣いて愛し恋しと上弦の今宵 誰に話そか忘れてみよかそれともきみに逢いにいこうか 愛し恋し、と上弦の今宵

2019/07/18

急な坂道をずっと上っててっぺんで振り返ると少しは青い海が見える雨の日はただ海が見える 下れば昏い海が揺れる雨の夜は思い出が見える

All In

あの夜の火花記憶は焼けたまま グラスを合わせて現を抜かせてあ、ごめん てブアイソに眼を伏せて 席を立つ振り返れルーレットが廻る 何も賭けなければボールを投げ入れなければ 悪い星どうしまた恋をしようぜ 第一声ならどうせ震えてた言ったっけ?破滅的に一…

永久機関

心変りはしてもいいと言ったまだ他に何を謝るの? 会いたいのはただの惰性だとその釘はいつか役に立つ? 黒い海に遠くどこまでも浮かぶ 揺れる船の灯り纏わる熱帯夜 街の夜を西へと走れば喧騒は波音に変わる じゃあこれ以上話すことは無いと尖らせた唇は誰の為…

濡れて行こう

あそこで傘を渡して ここで手を振った 思い出を何度も辿ってまた会えたらな って灰色の空の下 駅前の陸橋から 忙しく吐き出される雑踏に 横顔を見つけた気がして足を止めようとした一秒か二秒前 パタパタと花時雨 早回しの人波 あそこで傘を渡してきみはちょ…

名残り

名前を呼ばれた気がして振り返ればいつもと同じ夕焼けが緩んだ風に霞む ああ さっきのうたた寝の間にみた懐かしい夢のせいだな もう新しい街にまぎれ暮らしを変え揃いの時計も失くしてすっかり別々なのに まだ 名残りが消え切らずに立ち昇るひとすじの煙のよ…

愛しているよ

取っておいたんだこの言葉は10年目のきみに絶対に捧げようって きっと言ったってちらりと見てお好きにどうぞ横顔だけで応える だけどさそういうところが好きだからまったくしょうがないよね ブランケットを取り合う雨の午後に決まって僕らは夢の話をする ク…

no Merry Xmas

断ればよかったのにツリーの飾り付けなんて目一杯楽しそうに調子を合わせたりして その内にほら聞きたくもない話になるね、見る目無いよね、ってカレにじゃなくてキミにね 2色の電飾を苦労して巻き付けて綿の雪をもうふんだんに載せて 天辺にはベツレヘムの…

アトモスフィア

ずいぶん長く会えなかったけれど話せなかったけれど 元気でいた?それともまだ夜毎赤い目を擦って もう笑えないかもって もうきっと笑えないかもって 悪い夢に足を絡められてきみをきみが縛って 今夜星が降ればいい 祈りがきみに届いたらいい 煌めく粒を胸い…

violet fizz

2000円で朝まで飲み放題のクズみたいな酒の処理機構の 夜には目を覚まして喚き合う バーカウンター5、10、15、中ジャンをハイスピードで 負けて呷って横目で盗み見る手を叩いて笑う掃き溜めの鶴 グラスには violet fizzスミレ色の 偽の愛でrain、rain、外は…

月の明かり

もう嘘でいいから 言い掛けて微笑みが消えるのが嫌で ハンドルを南へ切る また夏を見ようか 何処かでなら花火は今夜まだ上がる 横顔に月の明かり 恋の始まりを思う 追えば逃げて少し振り返って 突然の雨の高架下で抱き合って もう嘘でいいから この道を果て…

次は出逢わない

すべてをきっと憶えておいて次は決して出逢わない 428号線の短いトンネルを抜けたら後は5回曲がるだけだって 何十ものカーブを無視した雑な道案内で辿り着いた坂の上には星が光ってた またね って振り向きもせず すべてをきっと憶えておいて次は決して出逢わ…

NUDE MAN

その部屋には不似合いな黒くてゴツいラジカセから 鳴るのは決まってNUDE MAN たかだか600日弱早く生まれたってだけで 分かんないかなだってさ、コービー冷蔵庫を漁りながら ビールは嫌いだったっけ って不味いのはね って 何もかもいいじゃんどうかなあきら…

結ばれない恋

抱きしめて 誰かにこの悲しさを 恋の重さを微笑んで ひとこともういいからと 言ってほしかった きみを愛してる とても愛してる分かるんだ これは結ばれない恋 だけど悪あがきしてもいいだろう?きみを抱きしめて夢みても いいだろう? きみを愛してる とても愛…

最後のまるい月

ほらね マボロシと踊るよ一途な夢も消えるよ期待もせずに ただ何度でも深夜のテレフォン きみを誘うよ さあね 泣いたりもしたよ悲しい夜もあったよ記憶なんかは あてにならないそれより今日は 五月晴れだよ 何でもいいから 海が見たいな言い訳なしで きみに…

バースディ’sキス

リゾートホテルの広いバスタブで三度目のハッピーバースディ'sキスして 目覚めた今日の行き先は夢の国の夢の海まずはあのタワーへ 今なら20分待ち大急ぎで回廊を抜けてシリキ・ウトゥンドゥの謎を解いて 手を振って 急降下その前に 笑顔でピースサイン 次の…