2019-03-31 濡れて行こう 春 雨 あそこで傘を渡して ここで手を振った 思い出を何度も辿ってまた会えたらな って灰色の空の下 駅前の陸橋から 忙しく吐き出される雑踏に 横顔を見つけた気がして足を止めようとした一秒か二秒前 パタパタと花時雨 早回しの人波 あそこで傘を渡してきみはちょっと困って 僕は大丈夫濡れて行くから改札で手を振った じゃあまた ってまたね って 互いに何度も振り向いて 赤い傘はあの頃と同じ 花の雨さ濡れて行こう