最後のまるい月

ほらね マボロシと踊るよ
一途な夢も消えるよ
期待もせずに ただ何度でも
深夜のテレフォン きみを誘うよ

さあね 泣いたりもしたよ
悲しい夜もあったよ
記憶なんかは あてにならない
それより今日は 五月晴れだよ

何でもいいから 海が見たいな
言い訳なしで きみに触れたいな

もしさ 例えばだけどさ
近い将来、突然
ココロの中に これっぽっちも
きみがいないとか あるとしてさ

横顔に 陽を受けて なんて? って
ハンドルを握る指の
華奢なリングを光らせる

須磨の海 舞子の波 塩屋のカーブ
2、3度首を振って
何でもないよって 笑って

ほらね マボロシと踊るよ
一途な夢も消えるよ
期待もせずに ただ何度でも
きみに囁くよ 縺れる舌で

きみの マボロシと踊るよ
冷たい背中を追うよ
懲りないままで ここまで来たよ
分かっているよ 分かっていたよ

千年を夢みて 明日に震えた
ぽっかり浮かぶ 最後のまるい月

さあね 泣いたりもしたよ
悲しい夜もあったよ
離れるくせに 忘れるくせに
そんなに強く 抱きしめるんだね

そんなに強く 抱きしめるんだね
それより今夜は 月が綺麗だよ

ねえ
月が綺麗だよ

ずっと
月が綺麗だよ

ずっと
月が綺麗だよ