まだ今も
忘れられない人がいる
その方が
全然気楽でいいわ
夜は始まった
胸の奥を舐めるように焼く
焔に息を止めた
ショット・ガンを呷って
快楽を貪ってふたり
それでも一秒が
棘のようにふたり
様々な香にあぶられて
煙に溶け出すレゲエ
真夜中ってのが何時だか
お互い分からない育ちで
似ていたのは甘ったれた欲望
波のように酔って さらわれて
何を憎んだところで
僕らは僕らでしかないのに
尖ることで生き延びて
引き裂くことで確認する
ここに在ることを
引き裂かれることで確認する
くちびるを寄せて
今日が昨日じゃなければいいと
それだけの思いで
夜が始まった
見えないものを目で追って
掴めないものに手を伸ばして
それを祈りだと呼んでみた
淋しさに淋しさを掛け合わせて
何になるのかなんて知らない
気づくとただ
夜が明けて
いつもふたりで
さんざんな人生を
僕らは
それでも愛そうとして