2018-03-05 続・夏の匂い 夏 肩に凭れてはじける光を見てた 続く熱帯夜過去から吹いてくる風 そのひとはわらった本当に久し振り、ってオイルライターを擦って 揺れる火で赤い紙縒りを燃やした 視点をぼかしてとりどりの色を見てた そのひとはわらった少し変わったわね、って耳元にくちづけて 短い沈黙次の言葉の前に アスファルトに寝そべって子守唄をせがんだ 朝になるまでの弱虫な魔法ね、ってボトルを取り上げて そのひとはわらった 夜明け 薄いブルーの空気に吸い込まれた光の粒 夏の匂い僕を何処へでもいい 運べ