アブラカダブラ

履き潰しかけのスニーカー持って
2階の窓から抜け出した真夜中
アブラカダブラ
まずは滑って落ちないように

丑三つ刻
いろんな魂が行き交うって

いいんだ
僕はすでに取り殺されてる

どこまでも意地の悪いカオして
そうやって笑ってたらいいさ
アブラカダブラ
その面影が浮かび上がる

丑三つ刻
ガラス窓に小石を投げて

開くまで
今夜こそ睨みつけてやるんだ

よしなさい、なんて言わせるもんか
だったら今すぐに傍にいろよ

言えずに
裏腹に手を振って
悔しさで
僕は空を蹴り上げる

どうして
好きになると淋しいんだろう

どうして
夜はこんなに長いんだろう

アブラカダブラ
取ってつけた朧月が

アブラカダブラ
中空で僕を嗤っても

いいんだ
いろんな魂が行き交っても

いいんだ
僕はすでに取り殺されてる