半身

恋の断片を
書き出しの一行を 見失ったまま
何処へ行くのか
何処へ行けるのか
恋人よ
答えはいつも きみが持っていた

春の宵から
夏の闇へと手を伸ばす 残像は
指を擦り抜けて
心を擦り抜けて
恋人よ
季節はいつも きみが連れてきた

いまは昏い空を 片方だけの翼で翔ぶ
きみを失くしたのか きみが失くしたのか
判らないままの半身で

一期は夢と
ただ狂え、ただ狂えと 文字を綴るまま
何処へ行くのか
何処へ行けるのか
恋人よ
答えはいつも きみが持っていた