かぞえうた

ひとつだと云った心
ふたつに割れて いまは
身ひとつの悲しみ
酔い覚めの夏の朝に
いつ果てない夢をみる
むかしむかしと嘲笑って
七夜月を迎える
やわらかな胸の
ここの この傷に触れて
遠い雷鳴を聞く

通り雨に打たれて
呱呱の声を上げる
夜叉の姿そのままに
斜めに見る夜明け
胸の火を消せずに
いつまでも憎んでやると
酔い覚めの朝 それは
未練な恋
ふたつに割れても いまも
ひとつきりの心

黎明の光を失う
例の場所できみを待つ