ドームへは
一度だけ行った
足が竦んで
館内には
どうしても入れなかった
蝉が鳴いて
樹々は騒めいて
光る芝生の向うを
白い犬が走る
饒舌な沈黙
夏の強い日差しに
煌く川面を掠めて
数羽の鳥が飛ぶ
全て
一瞬に燃えたのだ
足が竦んで
汗が滲んで
人間であることが
あんなに申し訳なかった日はない
ドームへは
一度だけ行った
足が竦んで
館内には
どうしても入れなかった
蝉が鳴いて
樹々は騒めいて
光る芝生の向うを
白い犬が走る
饒舌な沈黙
夏の強い日差しに
煌く川面を掠めて
数羽の鳥が飛ぶ
全て
一瞬に燃えたのだ
足が竦んで
汗が滲んで
人間であることが
あんなに申し訳なかった日はない
言葉にすれば
端から
嘘になるから
最初から
嘘のつもりで
さよなら
もう愛してない
だけど
幸せを願うよ
さよなら
まだ今なら
笑い話さ
忘れてしまおう
そんな夢で
醒める真夜中
さよなら
もう愛してない
だけど
幸せを願うよ
まだ今なら
笑い話さ
もうこれきり
忘れてしまおう
努力は
ほとんど全部
叶わなかったけど
憶えていてよ
憶えていて
なんて
今でも
思い出すのは
忘れないのは
きっと
僕だけだろうけど
憶えていて
夜の雨に
その靴音を探して
明けた朝の
びしょ濡れの街角
低いパス率で
服を乾かすための
パネルの数字を押す
震えて
憶えていてよ
憶えていて
森を薙ぎ
空を焦す
無辺だと
謳われる宇宙の
水の星に
生まれついた
食らい合う
命たち
罪の前に同じ
罪の前に同じ?
無数の悲鳴で
出来た身体で
地表を覆う
爛れた無邪気で
賑やかに次は
砂の星へ?
罪の前に同じ
罪の前に同じ
もう十分眠くなってからそれから
夜ごと白い小鳥をタップ
TLとリストを行き来する間じゅう
目や鼻に落ちてくるスマホ
何かを思うのに疲れて
何も
思わないでいられたら、と
降参は僕の得意技だったのにな
睡魔と落下とブックマーク
残りの泣き言はきみにしか言わない
赤い眼を擦ってさあリスタート