2020/09/14

 

そこから這い出て
二本の足で歩く
海水に似た僕らは

永い進化の果てに
何処へも還れず
朽ちていく元素の集り

それでも
この生は
歓びに溢れた

何度も
投げ出そうと
思った割りに

ね、
熱い砂に
耳をつけて
目を閉じて

ね、
今帰仁の
波の音が
聴こえない?

2020/09/02

 

世界なんて所詮
知ったことか
それだけ

振り翳す大義に
馬鹿だからさ
愛を潜め

きみを
傷つける何もかもを
僕は赦さない
苺とシャンパンで誓う
死ぬほど軽い

知りもしない
時に言葉は
その意味を失うと

だけど
馬鹿だからさ
足りない同士
抱き合えるって

馬鹿だからさ
愛を潜め

2020/08/30

 

日々の暮しに
きみがミロを持ち込んで2ヵ月

どうして一度も
賞味期限内に牛乳を飲み切れないのか

きみはきっと
眼中にないけど

僕はすごく気になる
期日の過ぎたのを見つけてはミロを作る

なんなら最近は
僕の方が飲んでる
僕の方が飲んでる

なのにまた
きみは牛乳を買う

1Lをカゴへ
1Lをカゴへ

2020/08/25

 

何処かで音がする
もうすぐ
四方から崩れ出す
だったら

列には並ばずに
馳しる

熱情と
悔恨と
結果
恋慕の旗だけを翻し

忘れない名前に
顰める
眉も余所に
馳しる

偶然の
アディショナルタイムと
駆け比べる
これが

最後なら派手に

一度の祭だ
きみへ
手を伸べて

僕の火だ
まだ
消させはしない