そこから這い出て
二本の足で歩く
海水に似た僕らは
永い進化の果てに
何処へも還れず
朽ちていく元素の集り
それでも
この生は
歓びに溢れた
何度も
投げ出そうと
思った割りに
ね、
熱い砂に
耳をつけて
目を閉じて
ね、
今帰仁の
波の音が
聴こえない?
そこから這い出て
二本の足で歩く
海水に似た僕らは
永い進化の果てに
何処へも還れず
朽ちていく元素の集り
それでも
この生は
歓びに溢れた
何度も
投げ出そうと
思った割りに
ね、
熱い砂に
耳をつけて
目を閉じて
ね、
今帰仁の
波の音が
聴こえない?
光る雲が
目に痛いほど
晴れた空
シャッターを切る
微笑みと
細い頸にかかる
フレア
その後ろから
洪水のような
蜩
背を伸ばして
陽を受ける
向日葵
今にも
動き出しそうな
夏
今にも
動き出しそうな
唇
世界なんて所詮
知ったことか
それだけ
振り翳す大義に
馬鹿だからさ
愛を潜め
きみを
傷つける何もかもを
僕は赦さない
苺とシャンパンで誓う
死ぬほど軽い
知りもしない
時に言葉は
その意味を失うと
だけど
馬鹿だからさ
足りない同士
抱き合えるって
馬鹿だからさ
愛を潜め
日々の暮しに
きみがミロを持ち込んで2ヵ月
どうして一度も
賞味期限内に牛乳を飲み切れないのか
きみはきっと
眼中にないけど
僕はすごく気になる
期日の過ぎたのを見つけてはミロを作る
なんなら最近は
僕の方が飲んでる
僕の方が飲んでる
なのにまた
きみは牛乳を買う
1Lをカゴへ
1Lをカゴへ
何処かで音がする
もうすぐ
四方から崩れ出す
だったら
列には並ばずに
馳しる
熱情と
悔恨と
結果
恋慕の旗だけを翻し
忘れない名前に
顰める
眉も余所に
馳しる
偶然の
アディショナルタイムと
駆け比べる
これが
最後なら派手に
一度の祭だ
きみへ
手を伸べて
僕の火だ
まだ
消させはしない