その時間が
眼の奥に残ってる
坂を
上り切ったら
螺旋の階段が見えて
真夜中のオリエンタル
ペン型のエレベーター
馬鹿だとは
思っていたけど
街灯を
くぐる度に
足下の影を掴まえた
何も言えなかったけど
何も言えなかったけど
その時間が
眼の奥に残ってる
坂を
上り切ったら
螺旋の階段が見えて
真夜中のオリエンタル
ペン型のエレベーター
馬鹿だとは
思っていたけど
街灯を
くぐる度に
足下の影を掴まえた
何も言えなかったけど
何も言えなかったけど
選んだ夜も
避けた通りも
巻き戻す時計で
出鱈目な呪文で台無し
酔いも回って
午前零時
見慣れた横顔に
ハートブレイクは定石
港のタワー
水面の灯り
滲み出す視界に
振り向いて駆け出す幻
胸の痛みに
名前をつけて
もう忘れた、と
オリーブを振る
不敵な微笑みに
ハートブレイクは上出来
最後は
目も合わせず
柄にもない手紙を受け取った
今生の
別れなんだと
走馬灯はめぐる
分かってる
唱える異議は
口の中で消える
どんな嘘にでも
騙されるのにさ
走馬灯はめぐる
知るもんか
呷るジンは
いつかの夜のブルー
呷るジンは
あの夜のブルー
今生の
もう
別れなんだ と
人の世も
犬の世も
儚いものですよ
だからもうひと口
そのレアチーズケーキを
人の子よ
綺麗なおすわりで
見つめてくる
では僕も
スコッチの杯を誤魔化して
犬の子よ
湯浴みの神には
揃って
あとで叱られるとしよう
飲み過ぎ って
それだけ言って
テーブルを片づける
謝りたい時ほど
謝れずにいるから
涙が出て
笑わないで って言ったら
いつも笑うのに
笑っていいよ って言ったら
いつも笑わない
もう
生まれた意味はあるから
後は
全部が
生きていく意味