世界の果てまでこの世の終わりまで
求めるものが分らないから
大袈裟な言葉を振り回すんだ
次から次へと浮かぶレトリックに
空っぽのままいい気になって
足元はほら もう断崖
吹きつける風に
震えて立てば
十六夜の
月明かりに浮かび上がるゴースト
過ぎたのか重ねたのか日々の跡
大半は捨ててしまった走り書き
それは文字よりも心なのに
ふとした瞬間に宿るゴースト
甦らす気なんかないよって
言ったのか 言われたのか
ぬぐえない後悔を逆手取ってみても
胸の奥をぎゅっと
何かに掴まれているんだ
それとも僕が掴まえているんだ
酔いの霧のなか
彷徨ってただ
ごめんねもさよならも
言えない 癒えない 傷の在処
蘇らさないよ って
その微笑みが いつまでも消せなくて
いつまでも消せなくて
十六夜の月影に宿るゴースト
甦らす気なんかないよって
言ったのか 言われたのか
好きだよって
言い逃した
十六夜の
月明かりに微笑うゴースト