ただ突然に

言いたい言葉を奥歯で噛み潰すたびに
涙が溢れた 涙が溢れた

飲みすぎて震えた夜も
きみだけがすきだった だから笑った

忘れないよって何度も
忘れられないよって 何度も

映りの悪いテレビをきみは何度か叩いて
ホラー映画には 目を瞑った

夕方の再放送のドラマ
ラブストーリーは ただ突然に

どんなに離れたっていい
どんなに離れたって きみをおもう

馬鹿みたいに 馬鹿みたいに
すべてが眩しいよ
ありふれた文句だけ一人前ね って
悪戯に笑った

言いたい言葉を奥歯で噛み潰しては
窓の向こうの 海を眺めた

いつかのままの沈黙と
冴え冴えと光る月 だから笑った

もう忘れるよって何度も
もう忘れてしまうよって 何度も

映りの悪いテレビをきみは何度も叩いて
砂嵐に紛れて キスをした

真夜中の相変わらずのドラマ
ラブストーリーは ただ突然に