序章

一学期最後の席替えで近くなれたら
時間割は全部あってないようなもの

鏡で黒板を照らして看守を喚かせたら
お説教を長引かせてチャイムを待つんだ

どこでもいいから行こう
世界なら 手の中にあるから

午後からの授業は寝過ごすつもりでぼくら
植え込みの陰で夢の話をするんだ

どこかのクラスがプールの前の柔軟
笛の音はいつも真夏の始まりの合図

なんでもいいから行こう
息切らせて いつもの公園まで
ぼくは蝉を捕まえるから
きみは目をつぶってたらいい

空にボールを投げて
何度でも 願いをかけるんだ
悪い暗示が消えるまで
ぼくらは楽しめばいい

汗だくで笑い合う甘いような風のなかで
涙が滲んでこぼれるほど
神様 このままでいたい

七月の青空を首が痛いほど眺めて
なんの答えもいらないから
神様 このままでいたい