きみが射る 僕の胸を
まだ互いに 名前を持たずに
忘れない夏 ただすれ違う
ただすれ違う 名前を持たずに
追いかけて 目と目が合う
にっこりと 花みたいに笑った
忘れない夏 雑踏のなか
雑踏のなか 花みたいに笑った
それをどんな言葉に譬えても まだ
それをどんな光に譬えても まだ
きっかけは 忘れていい
呼び交わした 名前が嘘でもいい
なんて痛い夏 もう二度と来ない
もう二度と来ない 微睡みの午後
それが雨夜の星であっても まだ
きみが雨夜の月であっても まだ
胸を射る その瞳に
目を伏せる くちびるが震える
なんて痛い夏 いまもそっと繋ぐ
いまもそっと繋ぐ 色のない糸
なんて痛い夏 もう二度と来ない
もう二度と来ない 微睡みの午後