淋しいヒアデス

寒すぎる夜が嫌いだ
そんな夜に
ひとりでいることが嫌いだ

優しい言葉が嫌いだ
それよりももっと
喋りすぎる虚しさが嫌いだ

よく晴れた星空
凍る指先を伸ばす
あれは、オリオン

先進という響きが嫌いだ
そんな国に
生まれたことが嫌いだ

過去も現在も嫌いだ
ちいさく呟く
きっと、未来も嫌いだ

凍る指先を伸ばす
空も見ずに言った
斜めに、プレアデス

長い夜の間じゅう
どんなことを話したのか
他には思い出せない

ただ無意識に空を見ては
星座を数える
たまに あの星を探す

きみと出逢って覚えた
遠いちいさな輝き
淋しい、ヒアデス

長い夜の間じゅう
どんなことを話したのか
他には思い出せない

ただ何もかも嫌いなきみが
すきと言ったもの
ぼくと 淋しいヒアデス