風の匂い 夏の湿度

僕が悪かったのかな
きみが悪かったのかな

とにかくたくさん
僕らは間違ってきた気がするよ

何処かで鳥の声が聞こえて
肩に凭れたままのきみが
寝返りを打って覚めた夜明け

壁に浮かび上がらせた影絵
指先と指先でキツネのキス
軽くついばみ合う小鳥のキス

いまもまだ肌に張り付く
風の匂い 夏の湿度

次の約束がいらないくらい
一緒にいることが自然で
ケンカして仲直りした帰り道

振り向いても振り向いても見てる
すぐに僕の電話が鳴る
「振り向いても振り向いても見てる」

僕が悪かったのかな
きみが悪かったのかな

とにかくたくさん
僕らは間違ってきた気がするよ

梅雨空の晴れ間にかかる
虹のような思い出
僕らに似たまぼろし

夕暮れの黄金に消える
虹のような僕らの
子供の時代の終わり

たくさんたくさん
僕らは間違えて

いまもまだ胸で追う
風の匂い 夏の湿度