天国の端

積み上げた心を 波がさらう
一瞬のうちに どこか遠くへ

継ぎ接いだ言葉を 風が嗤う
夢の場所へは 辿り着けずに

眠るために訪れた 遠いいつかの海辺
横顔と 薬の白さにためらって
それでも 飲み下した決意は苦く

眠る 夢は
できれば無であるように
祈る 心は
できれば無に還るように

首肯いた言葉を そっと捨てる
道行の果ての 天国の端

破られた約束を どうか 誰か
正しすぎる言葉では 責めないで

目映いほどの水面に 淡い日々を重ねて
横たわる くちづけの数をかぞえて
どこへも 行けはしないふたりだから