ねがい

連れていってくれと願った
言葉は風に消された
あいしていると言った声が
いつまでも 耳に残った

春の終わり 雨は降り続け
街は動き続け 僕は狂い続けた

何も見ずに 何も聞こえずに
きみの姿だけを 僕は捜し続けた

連れていってくれと願った
未練は何もないから
この場所以外なら何処でも
しあわせに なれる気がした

夢が終わり 雨は謡わない
街は輝かない 僕はもう歩けない

全部捨てて 僕だけでいいと
僕しかいらないと きみが言ったのはいつ?

連れていってくれと願った
涙は涸れて乾いて
きみを憎み疲れた夜に
死神を 見た気がした

夕闇の 稜線をなぞる
あのちいさな指を 僕が失くしたのはいつ?

連れていってくれと願った
未練は何もないから
この場所以外なら何処でも
しあわせに なれる気がした

連れていってくれと願った
言葉は風に消された
あいしていると言った声が
いつまでも 耳に残った

あいしていると言った声が
いつまでも 耳に残った