kill me

それは冷たい夏の冷たい夜できみは強い風に身体をすくめる 瞬間で恋に落ちて飛んで跳ねた成れの果ての別れの月のない夜 きみからは 何も言わせないヘッドライトが切り裂く タールのような夜足下に広がる黒い海 完全に何もかもが 壊れてしまうまでこの腕がち…

静かな闇

時間を忘れて夜の闇に深く沈んだきみの体温だけをそばに感じてた 未来のことは考えないと決めたきみには何も訊ねないと決めた 窓の外には真夏の月が輝くだけど僕はこの闇以外には何も要らなかったきみが溶け込んだ静かな闇以外は きみは眠るふりで 僕を拒み…

風の匂い 夏の湿度

僕が悪かったのかなきみが悪かったのかな とにかくたくさん僕らは間違ってきた気がするよ 何処かで鳥の声が聞こえて肩に凭れたままのきみが寝返りを打って覚めた夜明け 壁に浮かび上がらせた影絵指先と指先でキツネのキス軽くついばみ合う小鳥のキス いまも…

夏が泣く

夏の雨 こうして身体に受けるよ思い出を ひとつひとつ流していくんだ 夢に見た 再会とはいかなかったけど別れ際の 笑顔は胸に突き刺さった 昔よりはもっと うまく言えると思った汗ばんだ手を ジーンズで擦って何度も擦って すきなひとがいるって きみはまた…

1996年のハートビート

僕にはもう自覚できないある種の懐かしさときどき催眠術みたいに歌の端っこサブリミナル いつも夏になるから思い出すんじゃなくて思い出せば夏なんだ 白のパンダをたくさん並べたかわいい夢のなか厚底ブーツで蹴飛ばされて打ち鳴らされたハートビート いつで…

"BEACH BABY"

陽に灼けた肩に何度もくちづけてあどけない襟足に頬を寄せて 耳を打つ鼓動季節外れのさざ波運ぶ夏の歌あの昼下がり "(JUST A) SUNNY DAY" 握るハンドルから滑り落ちる指汗ばんだ手首で回るダイバーズウォッチ 蝉の声の洪水オレンジに染まる風誘う夏の香りそ…

夏の午後、フェスタで

数え忘れたオン・ザ・ロック頬を染めてきみのガラにもないプラトニック さあね少しだけ妬ける 誘い出されたサマータイム午後の眠る日差しこんな時間から酔いたいの? なんて笑ってたらいいさ 本物の恋ってホントにあったのねってひとり勝手に盛り上がって聞き…

太陽と月

地球儀を ぐるぐると回して笑い合ったきみを 何処までも連れてくのさ海に浮かんだ すべての島に果てしない夢を きみと見るのさ 開いたページのグラビアきみのお気に入りのパームツリー ぼくはハンモックをぶら下げて そしてふたりは寝転んで 青い海辺ラムと…

蝉とホタル

海沿いの線路開いた記憶のない踏切無理に越えるのはよそう 偶然と必然のその間みたいな再会無理に笑い合うのはよそう 宛てもなく走り出せば見通しの悪い過去へ向かうカーブ あの頃の僕らは何も知らず鳴く蝉 時は流れる傾く日差しに光る銀の輪外さなくていい…

一生に一度

誰かの横顔を見つめて胸がどうしようもなく痛い一生に一度だよこんなことは きっともう無いよきみみたいな女の子は何処にもいない 僕も想うひとがいるから出逢うのが少し遅かったんだ一生に一度だよこんな嘘は 誰かのための嘘はあと二分なら笑えるバスの時刻…

FOOL

きみがすきだったあの頃なら いまよりきみに近かった伸ばせば 届いていたかもしれないこの手は 嘘ばかりを書く 何度か合った眼を あの角度を僕のものにした夏の記憶に閉じ込めて 激しい雨眠れば きみの夢をみる なにかは溢れて なにかが足りなくて息苦しいほ…

青い夜

きっといまも膝を抱えてきみはどうしてる? こんな夜の中きみは何を思う? こんな青い夜の中 虫の声に包まれて全部忘れたみたいに踊った遠い海が見えるあの部屋で全部忘れたみたいに笑った 泥になるまで飲み明かしてイヤな子供だね 僕が言ったら法律は正しいっ…

夏の匂い

気紛れさだけが きみのすべてで僕を掻き回すのは きみの悪い未練で明け方の街は もう夏の匂いがする きみが置いてきた 温もりと溜め息が消えてしまう前に帰るって気づかれないうちに帰るって今年も天の川は 見れそうにない まずは嘘に慣れて次に待たされるこ…

しずかな凪

泳ごうよ 月夜だし 真夏だし昔話はもういいよ 泣かなくていいよいまこうしてきみは 此処にいるんだし 暗い海に 船の灯り きみのキス頬があたたかい 懐かしい息これは、そうだね 永遠だね 砂を駆けて 飛び込んでサーチライトに浮かぶ水しぶき何も言わなくても…