2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

真夏

拭う汗にきりがない心はこんなに渇いているのに 首が痛いほど見つめる天までは届かない入道雲 初めの声と熱で終りは決まった焼き切れた後ろ姿を縺れる足で追う 生はいつも未熟だから青い実ほど貪り尽くす 炙られた路面にまた落下して蒸発する恋慕 焼き切れた…

DO YOU WANNA DANCE?

というよりも サーファー・ガールなぜこんなにもきみなんだろう DO YOU WANNA DANCE アイ・ラブ・ユー懐かしい魔法 はじまりの火花後ろ姿に 息も時も止まるなぜこんなに きみじゃなきゃならないんだろう その肩越しに夏を見て何に触れて 何を失くして震えた…

花片喰

時は流れ 巻いたネジはもう僅か オルゴール 耳に残る 囁きが胸で遥か センチメンタル なんで失くしてばかりなんだろうってなんでこんな思いばかりなんだろうって 込み上げては 飲み込むだけ一言さえ 話せなかった 掌だけ 時に素直繋いだ手を 離せなかった 困…

XYZ

耳を澄ませてあの夏が聴こえない? くちびるがあんまり震えるから堪えきれずに笑った 会ってすぐに帰る話なんて止めようよその時間になったら化粧を直しにいく振りでタクシーでも拾いなよ そうね、なんて微笑ってみせるきみにどんな言葉が欲しい やさしい振り…

四次元遊泳

小さな夜の片隅で僕らは猫の真似をして言葉もなく寄り添い合う朧月に照らされて ふと明け方の迷宮夢の怪物に追われて息切らせて逃げ込むんだそこはまるで 未来のロボットのポケットの中何だってあるんだ不可能なんてないんだ その温かさに頬を埋めて不安の影…

ここにいて

もう疲れたんだ って大声で叫んでしまいたい だって、どうすればよかった?教えてくれよ 望まない役割1ミリの感情もない笑顔全部自分のせいだってそんなの知ってる 夜毎の夢に浮かされるのか 魘されるのかどっちでもいいんだよ 踏み出した一歩が正しいのか 正…

routine

何も見ず 何も聞かず動きつづける ぼやけた日常はただのroutine 揺れる絡む廻りつづける 星々は流れる 降りしきる 雨の音が身体に染み込むほどもうずっと 長い間誰を待っているのだろう 思い出は いつもいつも薄曇りの日曜やさしくも 悲しくもなれないまま …

ただ突然に

言いたい言葉を奥歯で噛み潰すたびに涙が溢れた 涙が溢れた 飲みすぎて震えた夜もきみだけがすきだった だから笑った 忘れないよって何度も忘れられないよって 何度も 映りの悪いテレビをきみは何度か叩いてホラー映画には 目を瞑った 夕方の再放送のドラマ…

白旗

僕を支配する甘い欲身を任せてみようか果てまで 辿りながら触れた始まりの午後は薄く暗く登っては降る曲線 道化も演じきれず貪りつくす独りふたりどうしようもなく離れ難く 時が星が流れてもただ蜜を集めて巣の奥へ深く おそるおそる掴んだそれはまだ名前を…

ほんの数センチ

気温がまた上がって再生ボタンが押される 擦り切れて擦り切れて雨降り映画のような あんまり青い空だから錯覚した奇蹟はこの手のほんの数センチ先にあるって 梅雨の晴れ間だって天気予報が言ってた 目の奥で目の奥で小さな日傘が揺れる あんまり青い空だから…

甘い眩暈

目を閉じていつかの夏の夢をみる きっと冷蔵庫より冷えたキッチンで 白い息を吐いてもこもこと着膨れして412円のワインで暑い昼下がり 日傘の柄くらい華奢な手を振った 横断歩道が溶ける国道の向う側 青に変わる瞬間どくんと音が鳴ってそれからどきどき って…

序章

一学期最後の席替えで近くなれたら時間割は全部あってないようなもの 鏡で黒板を照らして看守を喚かせたらお説教を長引かせてチャイムを待つんだ どこでもいいから行こう世界なら 手の中にあるから 午後からの授業は寝過ごすつもりでぼくら植え込みの陰で夢…

F-14

軋む階段を駆け上がって床に投げた鞄には教科書なんか入ってない 昨夜のままのターンテーブルに荒い息のまま針を落とす爆音で鳴るラブ・ソング 愛してくれ愛してくれ他には何もいらないだから愛してくれ 裏の神社の森の葉擦れに祭囃子と虫の音夏の終りのイニ…

TEL

もう忘れてた?不意に鳴って悪戯に囁くTEL 答えがイエスでもノーでもどうせ同じなんだろう? その向こうの波音に耳を澄ませた 寄せる返す足もとまで届きそうな ずぶ濡れで叫んだ燃えるようなオレンジのなか 高く 鳥の声 答えがイエスでもノーでも同じなんだろ…

ラストシーン

偶然を山ほどつくって 少しでもきみの傍にいたくて 目が合うと嬉しくて ほかに何もいらないなんて思い込んだままで 微笑む顔が見たくて 夜明けまで嘘を並べたてて 終わりまで誰よりも きみがずっとすきだったって僕は言えなかった きみからの 初めての電話は…

初恋

理科の実験教室は暗くて不思議な匂いが立ち込めてたマッチを擦って きみは息を止めるアルコールランプに 細い火がのぼる 初夏の日差しは強くて扉をくぐる瞬間みんな影になるきみが忘れても ぼくは忘れないそんな事を ぼんやりと考えてた 変わらない 忘れない…

about fifty minutes

天気雨を横目に夏の歌ばかり聴いていた きみのいない休日はつまらなくて淋しいから真っ赤になるまで魚を探した背中とか 内緒の写真を見てたら もっと淋しくなって今日の予定も忘れて心は in the air 時計の針を睨んで気のせいかだんだん遅くなる だけどもう…

夢を見た

夢を見て 思い出した嘘だよ触れ合って 思い出した もっと嘘だよ出逢ってさえいないじゃないそれも嘘だよ見つめ合ったじゃない あの真夏 波音に 目を伏せた嘘だよきみばかり 見つめていた なんて嘘だよ照れてそれどころじゃなくて全部嘘だよ何も分からなくて …

気温は上がり続ける

道に転がって空き缶の影を見ていた消えてゆく影を見ていた ついさっき失くした心のことを考えていた鼻の奥は痛むのに眼はからからに乾いていた 陽炎が立ち昇り気温は上がり続ける振り返るまぼろしを見た 手を伸ばして身体を捩って湿ったタバコに火をつけた …

take a bow

明け方の雨に打たれて凍えるよきみが追いかけて来ないなら僕はこのまま消えて無くなるよ行き止まりの標識にきみは何を見たんだろう この道路を横切ってあの線路を越えたらもう海だよ 信じられる? 解ってたことでしょうなんてそんな表情で言うもんじゃないよ…

諦めたのかもしれない

こんなふうに偶然逢うのはもしかしたら、初めてだね 視線を逸らしたのは僕だった春の海は黙っていた突然の涙の理由を僕はなんて言ったのかも忘れた 彼女はお茶を飲もうと笑った懐かしい声は震えていた 遠い夜明けを思い出してその青さに目が眩んだ あの夜に…

午後七時のバタフライ

お願いだから ただ見とれてる僕をそんなに笑わないで鏡越しに 片目を瞑って振り返って 悪戯なキスした その華奢な手首を 思いきり掴んだらきみはどんな顔するだろう嫌われたくないから 絶対しないけどこれきりだと言われたら 僕はどうするだろう 髪を洗って…

EXIT

名前をただ呼んだ出口なんてあってもなくても僕には同じだから悲しくて熱が出た きっかり2ヶ月ぶりのきみの声に泣けてきたちゃんと生活しなさいなんて仕方なく頷いて 過ごした街 見送る駅 忘れられないのに思い出になんてならないよ 言葉はただ言葉だから心…

you are mine

一頻り降った雪は白く僕らを閉じ込めて冷蔵庫みたいな部屋のここだけは温かな繭の中 互いの身体に腕をまわす幼い泣き顔を僕に埋める どれだけ泣かせてもどれだけ傷つけてもきみは僕のもの 細い指先の力がきみの悲しみを伝える我儘な胸が呟く強くも優しくもな…

きみの温度

少年のようなカラダで遠くまで泳いでいく白い波に消されてまた浮かぶ長い手足を伸ばして いつの夏だったろうずっと熱くて ずっと眩しくて終わらないと思えた輝きはまだ この胸にある やさしい声でうたう恥ずかしそうに微笑う砂をすくい上げる仕草で 僕を海へ…

赤い頬

輝きはもう遠ざかるもう冬の気配 手袋越しに細い指を握って赤い頬に触って いつでも確認する 淋しさを教科書の余白にノートの隅っこに 書いた頃より単純になったのか複雑になったのか 未来はここにあるのか いつでも確認する この場所は失くなりはしないのか…

一歩か、せめて半歩

「もう歩けはしないな」そこから一歩か、せめて半歩は進んだつもり どこへ往こうどこまで往こう目指す場所はやっぱり僕には遠い 「頑張ってみるよ」ってごめんね繰り返しでも、少しは愛せたかな どこへ往けるどこまで往ける想いだけなら悠々と大空を舞う 心…

馬鹿な僕ら

狂ったような夏が終わって何処かからピアノの音 それよりも僕はメトロノームに耳を澄ませるコツコツ、とそれはいつかの足音 目を閉じれば懐かしい部屋伸び切ったテープから秋の気配 きみの好きな場所なんてもう忘れてしまったなコツコツ、と今も迷子の足音 …

ABC

“すべての始まり”だなんて笑っちゃうよ ってその口の悪さは淋しいから? なんて 分ったふうに 微笑んだりしないで「生まれつきさ」 声が震えたのはきみがキレイだから 精一杯 不機嫌なふりしてその裏側を きっと知られてる A 見つめ合ってB もう躊躇ってC あ…

無限の未来

雨のベランダは車の音しかしなくてメゾン・ド・アコールの静かな雨音を窮屈な空間をその向こうの無限の未来を思い出す 僕らは其処に立っているのか いないのか 人生は迷路だといつか誰かが歌ったケ・セラ・セラさ欲しいまま抱き合い恋のまま見つめ合い幾通り…