永久機関

心変りは
してもいいと言った
まだ他に
何を謝るの?

会いたいのは
ただの惰性だと
その釘は
いつか役に立つ?

黒い海に遠く
どこまでも浮かぶ

揺れる船の灯り
纏わる熱帯夜

街の夜を
西へと走れば
喧騒は
波音に変わる

じゃあこれ以上
話すことは無いと
尖らせた唇は
誰の為のもの

夏のタバコの
重い煙を吐いて

須磨浦のガスト前
行き交うヘッドライト

別れ話も
前日までならって
まだ他に
何を躊躇うの?

会いたいのは
ただの惰性だ、と

惰性と慣性はもう
同じだよ

じゃあこれ以上
話すことは無いと
尖らせた唇で
それから笑って

じゃあ朝まで
少し眠ろうって
向こうの島が
霞んで浮かぶまで

向こうの島が
滲んで消えるまで