センチメンタル

今夜はバッドトリップ
さっきからタバコが弾かれたように指から落ちる
人生は終わってみるまで分からない
慈悲深い神が微笑む
それで本当に逃げ切れたつもりか
残酷な神が哂う
右手に万有、左手に虚無を持ち
悲劇に喜劇、関心と無関心

僕の身の内に詰まっているモノなんて
高が知れてる
僕が身の内に詰め込んだモノをきみは
すべて知ってる?

「巻き戻すスローモーション
そしてあまいフラッシュバック」

また、バッドトリップ
手が届く瞬間に消える後ろ姿の女神
始まってもいないような人生で
精一杯掴み取る
愛に似た刹那にゆるぎない飛翔
湧き上がる喜悦に対の孤独
正比例で加速する奈落への滑走
止め処ない嗚咽に対の愛撫

叩きつけられる瞬間、心をずらす
その瞬間、僕は神を見る
何度も
その瞬間、目を逸らす
何度も

「そしてあまいセンチメンタル」

その瞬間、
ばかみたいに、

あまいセンチメンタル