白旗

僕を支配する甘い欲
身を任せてみようか果てまで

辿りながら触れた
始まりの午後は薄く
暗く
登っては降る曲線

道化も演じきれず
貪りつくす独り
ふたり
どうしようもなく離れ難く

時が星が流れてもただ
蜜を集めて巣の奥へ深く

おそるおそる掴んだ
それはまだ名前を持たず
癒えず
傷口のように鮮明

微笑みを交して
目指す場所まで疾る
跳ねる
命がけの離れ業で

僕ら支配されよう今夜
白い旗を高く掲げて

もどかしさに悶えて
指も髪も絡ませて熱

狂うほどに焦がれて
浅く深く沈み込む冥利

僕を支配する甘い欲
身を任せてみようか

果てまで

僕ら支配されよう今夜
白い旗を高々と掲げて