花の模様の肩越し

波音はもう消えて 西風が近づいて
退屈な夏は過ぎ 空がまた高くなる

僕たちはもう二度と 微笑みで逢えないと
痛いほど分かるから 「さよなら」はいらないよ

真夜中に 鳴り続けたテレフォン
伝えたいことなら もう分かっているから
きみはきみでいればいい

いつか抱きしめた 花の模様の肩越し
滲んでた景色は きみのせいじゃない

海沿いの高速を 夕暮れの三叉路を
あの頃の残像が 思い出を映し出す

ポケットに詰め込んだ 歓びも悲しみも
雑踏に放り出し からっぽになりたいよ

ひとりきり 上手くならないレッスン
受話器を取り上げて 何度も言ってみる
きみはきみでいればいい

偶然に見かけた 傘の中にふたり
寄り添って歩く やさしい五月雨 

真夜中に 鳴り続けたテレフォン
伝えたいことなら もう分かっているから
きみはきみでいればいい

真夜中に 鳴り続けるテレフォン
伝えたいことなら もう知っているから
きみはきみでいればいい

いつか抱きしめた 花の模様の肩越し
滲んでた景色は きみのせいじゃない

いつか抱きしめた 花の模様の肩越し
忘れられないのは きみのせいじゃない