静かな闇

時間を忘れて夜の闇に深く沈んだ
きみの体温だけをそばに感じてた

未来のことは考えないと決めた
きみには何も訊ねないと決めた

窓の外には真夏の月が輝く
だけど僕はこの闇以外には何も要らなかった
きみが溶け込んだ静かな闇以外は

きみは眠るふりで 僕を拒み続ける
僕の腕の中で 僕を拒み続けてる

だけど僕にはわかっていた
そしてきみにもわかっていた
この静かな闇は
それでも恋だということを

未来のことは考えない
きみには何も訊ねない
約束だけを幾つも幾つも交わし
いつも これを限りのキスをした

きみは眠りながら 僕を求め続ける
浅い夢の中で 僕を求め続けてる

だけど僕にはわかっていた
そしてきみにもわかっていた
時を重ねても
決して結ばれない恋だということを

いつも これを限りに抱き合った
ただひととき
あの静かな闇が ふたりのすべてだった