XYZ

耳を澄ませてあの夏が聴こえない? くちびるがあんまり震えるから堪えきれずに笑った 会ってすぐに帰る話なんて止めようよその時間になったら化粧を直しにいく振りでタクシーでも拾いなよ そうね、なんて微笑ってみせるきみにどんな言葉が欲しい やさしい振り…

ラストシーン

偶然を山ほどつくって 少しでもきみの傍にいたくて 目が合うと嬉しくて ほかに何もいらないなんて思い込んだままで 微笑む顔が見たくて 夜明けまで嘘を並べたてて 終わりまで誰よりも きみがずっとすきだったって僕は言えなかった きみからの 初めての電話は…

午後七時のバタフライ

お願いだから ただ見とれてる僕をそんなに笑わないで鏡越しに 片目を瞑って振り返って 悪戯なキスした その華奢な手首を 思いきり掴んだらきみはどんな顔するだろう嫌われたくないから 絶対しないけどこれきりだと言われたら 僕はどうするだろう 髪を洗って…

EXIT

名前をただ呼んだ出口なんてあってもなくても僕には同じだから悲しくて熱が出た きっかり2ヶ月ぶりのきみの声に泣けてきたちゃんと生活しなさいなんて仕方なく頷いて 過ごした街 見送る駅 忘れられないのに思い出になんてならないよ 言葉はただ言葉だから心…

A HAPPY NEW YEAR

袖口を伸ばして 寒そうに手を合わす夏の日焼けの名残を 冬が包む 今年最後の夜に終わりと始まりの鐘が鳴る きみを抱きしめる 手をとって歩く願い事ならいつでも 僕はきみの神様になる 誰に叱られても 上手には生きれない出来損ないの恋でも これがすべて き…

なんていう魔法

この夜に きみが存在することにこの夜に きみが微笑みでいることに 酔ってしか 言えない言葉を心から酔ってしか 笑えない想いを心から 傾けたグラスに そのお酒をなみなみと注いでよねえこんなにも 僕を酔わせるきみが持つそれは なんて名のお酒 叶うなら 死…

夢をみせて

ウソだかホントだかわかんないよな口ぶりで騙して傷つけて 夢をみせてよ 一緒に堕ちてこう真っ暗闇の地獄までそしたら気の利いた ジョークを教えてよ 快楽に溺れて罪悪感なんか捨てて破滅型の愛を始めよう 最初から全部嘘の 仕組まれた愛でいい綺麗な色なら …

寂しがりや

深夜の信号機の点滅無人のビルの常夜灯何処かでつけっぱなしのテレビ 古い地図の現在地熱帯夜に吹く風剥がれそうな電柱のポスター 公園の動かない遊具土埃とグローブ見る人のいないホームラン 錆びた廃線のレール渉る人のいない遮断機文字の消えた標識 今は…

ムーンライト セレナーデ

古いナンバーを押して無意識に 受話器を遠ざける小さくアナウンスが告げるもう恋は 届かないんだと グラスをふたつ並べて片方に いまでも注ぐジン針が飛びつづけるセレナーデ似たような 心のままで 夜に酔う きみに酔う あの日腕に抱いた ごちゃまぜの感情離…

孤独の王国

すべてに眼を伏せて さあ眠れ狂いのない 無愛想なデジタル 12:00を告げる どんな願いをまだ隠してる?僕の心 錆びついた扉 何を待ちつづける 迷路のような記憶の底曲がり角を間違えるきみが教えてくれた愛は何の役にも立ちはしない 庭に花を植えて さあ眠れ悲…

渡らない川を挟んで

いい恋を いい夢をってきみは微笑う 手を振る頷く 肯く それ以外にどうすればよかった? きみのせいだけにしたがるのを分かってて ごめんねってきみは言うんだね いまだから そうなんだ戻れない川を挟んで見交わすだけだから それだからきみは言うんだね いま…

しるしをつけよう

だれのものでもない夏のだれのものでもない海にふたりだけの 恋のしるしを刻もう なんてことはない夜のなんてことはない月に思いつくだけの あまい願いをかけよう 力の限り日常を駆けて この世の涯までどんな夢も愛も膨らませて 命の終わりまで 噛みすぎたく…

しあわせになれる魔法

恋のつらさのなかで何度も逃げようとおもったそれでも道はひとつしかなかった先は見えないけれどきっと きみに続いている 静かな息をして隣で眠るきみのあたたかさを確かめる深く抱きしめて 遠くまで 近くまで 車を走らせてきみの手を握りしめるふたりは 終…

鬼が出る、蛇が出る

全部ウソだったんだろって口の中だけで繰り返すさっきから 眼が合うたび逸らすそれでも 普段と変わらない表情で 鍵をくれたり キスをくれたり他の囁きやなんかも今日でなかったことになるんだろってそれでも 声に出来ないまま 睨む視線を 頬に感じながらきみ…

恋の葬列

恋はもう 死んだから寂しい寂しい お葬式をひとりぼっちで遣りましょう ふたりの笑顔を燃やして主を失くした指輪を棄てて心に残る 愛の言葉たちをせめてもの 餞に 今宵 通夜の夜弔問客もいないあんなに眩しかった恋のこれが終わり ひっそりと 恋の葬列記念の…

kill me

それは冷たい夏の冷たい夜できみは強い風に身体をすくめる 瞬間で恋に落ちて飛んで跳ねた成れの果ての別れの月のない夜 きみからは 何も言わせないヘッドライトが切り裂く タールのような夜足下に広がる黒い海 完全に何もかもが 壊れてしまうまでこの腕がち…

キスを

今夜これが最後の二人のエピソードになるなら紅茶に落とす砂糖のように不思議な色に溶けたい 夢の夢の恋だから失うことでしか残せないなら傷つくことは怖くはないと震える僕に やさしく キスを キスをしてくれないか痺れるほど甘い砂糖菓子のようなキスを キ…

静かな闇

時間を忘れて夜の闇に深く沈んだきみの体温だけをそばに感じてた 未来のことは考えないと決めたきみには何も訊ねないと決めた 窓の外には真夏の月が輝くだけど僕はこの闇以外には何も要らなかったきみが溶け込んだ静かな闇以外は きみは眠るふりで 僕を拒み…

淋しいヒアデス

寒すぎる夜が嫌いだそんな夜にひとりでいることが嫌いだ 優しい言葉が嫌いだそれよりももっと喋りすぎる虚しさが嫌いだ よく晴れた星空凍る指先を伸ばすあれは、オリオン 先進という響きが嫌いだそんな国に生まれたことが嫌いだ 過去も現在も嫌いだちいさく…

イリーガル

懐かしい夢に飛ぼうきみに会いにいくよレコードに針を落としてきみを抱きしめるよ 流れた時間は忘れて長い髪を揺らして オトナになったって言ったってたかが十何年じゃないか矢のように過ぎる人生に風のように気紛れな運命にどれほどの 意味があるの いつか…

こんな風の夕べ

どうしてなんて 訊くのもおかしいね今夜は始めから 別れの流れだね相変わらず 空には月 もういいからいつもみたいに笑いなよ またもお決まりの スコッチの夕べはきみが思うほど 悪くはないんだよあまり長く 片思いだと それはそれでどれも甘いエピソードばか…

微笑んでくれ

またくだらなく酔っていまも抜け出そうと足掻く その先も方法も 分からないまま 見た夢が大きすぎたんだ僕から遠すぎたんだんだ 言い訳なら苦もなく あとから溢れる 始めから嘘じゃなかった 同じよ、そう言って別れた 悔やむことばかりが山ほどなのに願うこ…

財宝の地図

心を入れ替えてまで欲しいなにかは無いんだ この世はすべて借り物だからそれでいいんだ 暗く狭い場所で踊ろう光なんて見えなくても 闇に紛れ込んで思い出にただ沈んで 砂浜へ続くゆるやかな坂道の脇 揺れる夏に咲く花腕の止まった時計 一度だけ見た花火一度…

harbor light

真っ直ぐ行くんだって左に曲がりたいんだって喧嘩ばかりしていた結局僕らは あの通りより向こうへは決して行けなかった 止めてください、って急にドア開けて飛び出して駆け引きじゃなく本気だからどこかで待ってるはずもなくていつも途方にくれた ホシイモノ…

忘れられない

いつかまた逢えるのだろうそう言って 別れた 道はおもうより遠く僕はおもうより小さく背負いきれない望みだけが先へ先へ進む 心はちぎれてただもう一度会いたくて風はざわめいてきみの幻を揺らす 淋しくて悲しくて仕方ないいつもこんな夜だ いつかまた逢える…

1104

どんな気持ちで明日を迎えるのって欲しい答えはなんなの?優しい言葉は言えそうにないよこんな夜に こんな雨の夜に 見ようと言ったロードショーも終わって呼び出されたきみの部屋さ切り出したのは僕からだけど願ったのは きみだっただろう? 海からの冷たい風 …

半身

恋の断片を書き出しの一行を 見失ったまま何処へ行くのか何処へ行けるのか恋人よ答えはいつも きみが持っていた 春の宵から夏の闇へと手を伸ばす 残像は指を擦り抜けて心を擦り抜けて恋人よ季節はいつも きみが連れてきた いまは昏い空を 片方だけの翼で翔ぶ…

the chime will ring

バイバイ何を持って何を置いていこう バイバイまた鳴る鐘その終りと始まりに 伸ばした袖に息を吐いて冷たい空気に身を寄せ合って 仰いだ七つ星握りしめた未来そのはずだった僕ら バイバイ胸は痛い?痛いよ、相変わらずね いつかの年もこんなふうに永遠みたい…

果てしない跳躍

飛び石の上を進むように足場はいつも不安定だった繋いだ手は震えたどんなに強く握りしめても お互いに 気づいていた 踏み外せばそこは深い谷 それでも 見なければ跳べる 出逢った頃の眩しさだけで奇蹟は何処にでもあると信じた一年のうちの数日が薄れるたび…

砂浜を走る

藍が闇に変わり 風が騒ぎ出せば途切れた時間の続きが始まるよ ほら微笑むきみが浮かぶ 砂浜を走る きみを捉まえたくて縺れる足で あの砂浜を走る 月が高く昇り 波が目を覚ませば渇いた心は一瞬で満ちるよ ほら波間にきみが浮かぶ 幾千の悲しい歌を祈りのよう…