月の明かり

もう嘘でいいから 言い掛けて微笑みが消えるのが嫌で ハンドルを南へ切る また夏を見ようか 何処かでなら花火は今夜まだ上がる 横顔に月の明かり 恋の始まりを思う 追えば逃げて少し振り返って 突然の雨の高架下で抱き合って もう嘘でいいから この道を果て…

インプット20XX

とりあえず始まったロング・バケーション 読みかけの本や齧りかけのエトセトラ行きたかった山やまた見たい海や空 クーラーの部屋から20XX年の夏へ せーので飛び出して白いノートを広げる頭のどこか深くで懐かしくて甘い歌 聴こえるさざ波のラインダンス そん…

夏の手前のパラソル

この手を取ってねえお願いさただ頷いてみせて地下への階段で 細いヒールを響かせて微笑んで この手を取って秘密の箱の中へただ頷いてみせて午后の陽を避けて 2国の長い赤信号待ちかねて 欠伸をひとつ、ふたつ夏の手前のパラソル いまがこれが永遠でいい この…

菊水山で、愛を叫ぶ

夏の空いっぱいにすきだって叫んだ目を閉じて風に耳を澄ませた 電波塔と全身を収めようとするから両方遠くなるのは仕方がないんだって 言っても聞かないじゃあもういいってカメラを取り上げて台座に腰を下ろした 夏の青いっぱいに心は散乱する目を閉じればあ…

点火

ここからはボーリング場のでかいピンが見えるから 盆踊りの太鼓の音も切れ切れに聞こえるね あっちの打ち上げ花火を見に行こうか まあきっとここからも見えるだろうけど そういえばUFOのドラマ今日が最終回だったっけ 口数に反比例な受け止め続ける空気 でも…

ある場面

アスファルトへ打った水が熱を冷ます もう夏の朱い夕暮れ振り返れば 風が渦巻いて高くふっと思い出した場面を 何処か遠くまで連れて追えば時を戻せるような もう一度、ともう二度と、を繰り返して 言い掛けた言い逃したあの言葉を 僕がまだ持っているならき…

続・夏の匂い

肩に凭れてはじける光を見てた 続く熱帯夜過去から吹いてくる風 そのひとはわらった本当に久し振り、ってオイルライターを擦って 揺れる火で赤い紙縒りを燃やした 視点をぼかしてとりどりの色を見てた そのひとはわらった少し変わったわね、って耳元にくちづ…

群青

夏の前の風が吹き抜ける夕方部屋いっぱいの日差し きみは微笑って浅く眠って 遠くで鳥が小さく鳴いた黄昏空は宇宙に変わる こうして何度もきみと何度も 一日の終りを見送ろうねえ涙が止まらないほど愛しているんだ 夏の前触れの燃えるような群青空は宇宙に変…

決意の笑顔

girl friend眩しい光のような思い出の海を泳いで girl friend涙まじりに辿り着く砂浜には 夏の横顔 ゆらゆらと揺れるふわふわと浮かぶ宝箱にはしまえないあの フレンド 幻のように駆け抜けていく問いかける声も聞こえないほど girl friendそれでもやっとここ…

ひまわり

庭に 花の種を植える掘り返した土を埋める 花の種を植えることは死体を埋めるのと似ている だとしたら誰を埋めよう地中深く 深く きっときみを埋めるだろう そしてカムフラージュにひまわりの種あんなにきみを愛した季節にきみの花が咲くひまわりにきみの名…

冷たくしないで

夏の日差しに目を細めてハイウェイを西へもう話す事はない って会おうと言ったその口で また僕の不機嫌を責めてループしてる言葉そろそろ泣きだすんだろ僕が何も知らないと思って さっきのカーブできみが捨てた指輪に罪はないついでに言うとそれをあげた僕に…

真夏

拭う汗にきりがない心はこんなに渇いているのに 首が痛いほど見つめる天までは届かない入道雲 初めの声と熱で終りは決まった焼き切れた後ろ姿を縺れる足で追う 生はいつも未熟だから青い実ほど貪り尽くす 炙られた路面にまた落下して蒸発する恋慕 焼き切れた…

DO YOU WANNA DANCE?

というよりも サーファー・ガールなぜこんなにもきみなんだろう DO YOU WANNA DANCE アイ・ラブ・ユー懐かしい魔法 はじまりの火花後ろ姿に 息も時も止まるなぜこんなに きみじゃなきゃならないんだろう その肩越しに夏を見て何に触れて 何を失くして震えた…

ここにいて

もう疲れたんだ って大声で叫んでしまいたい だって、どうすればよかった?教えてくれよ 望まない役割1ミリの感情もない笑顔全部自分のせいだってそんなの知ってる 夜毎の夢に浮かされるのか 魘されるのかどっちでもいいんだよ 踏み出した一歩が正しいのか 正…

序章

一学期最後の席替えで近くなれたら時間割は全部あってないようなもの 鏡で黒板を照らして看守を喚かせたらお説教を長引かせてチャイムを待つんだ どこでもいいから行こう世界なら 手の中にあるから 午後からの授業は寝過ごすつもりでぼくら植え込みの陰で夢…

F-14

軋む階段を駆け上がって床に投げた鞄には教科書なんか入ってない 昨夜のままのターンテーブルに荒い息のまま針を落とす爆音で鳴るラブ・ソング 愛してくれ愛してくれ他には何もいらないだから愛してくれ 裏の神社の森の葉擦れに祭囃子と虫の音夏の終りのイニ…

初恋

理科の実験教室は暗くて不思議な匂いが立ち込めてたマッチを擦って きみは息を止めるアルコールランプに 細い火がのぼる 初夏の日差しは強くて扉をくぐる瞬間みんな影になるきみが忘れても ぼくは忘れないそんな事を ぼんやりと考えてた 変わらない 忘れない…

夢を見た

夢を見て 思い出した嘘だよ触れ合って 思い出した もっと嘘だよ出逢ってさえいないじゃないそれも嘘だよ見つめ合ったじゃない あの真夏 波音に 目を伏せた嘘だよきみばかり 見つめていた なんて嘘だよ照れてそれどころじゃなくて全部嘘だよ何も分からなくて …

気温は上がり続ける

道に転がって空き缶の影を見ていた消えてゆく影を見ていた ついさっき失くした心のことを考えていた鼻の奥は痛むのに眼はからからに乾いていた 陽炎が立ち昇り気温は上がり続ける振り返るまぼろしを見た 手を伸ばして身体を捩って湿ったタバコに火をつけた …

きみの温度

少年のようなカラダで遠くまで泳いでいく白い波に消されてまた浮かぶ長い手足を伸ばして いつの夏だったろうずっと熱くて ずっと眩しくて終わらないと思えた輝きはまだ この胸にある やさしい声でうたう恥ずかしそうに微笑う砂をすくい上げる仕草で 僕を海へ…

何度でも笑って

あなたが忘れない分、私が忘れるの相変わらず、いい性格だねなんて今夜は なんだか明るい電話それで答えは どっちに転ぶんだろう あなたも困るって、ちゃんと知ってるのそうじゃないと、きみが困るでしょうときどき笑う 遠回しな言葉でほんとの気持ちは どこ…

雨夜の月

きみが射る 僕の胸をまだ互いに 名前を持たずに忘れない夏 ただすれ違うただすれ違う 名前を持たずに 追いかけて 目と目が合うにっこりと 花みたいに笑った忘れない夏 雑踏のなか雑踏のなか 花みたいに笑った それをどんな言葉に譬えても まだそれをどんな光…

まちかど

偶然こんなところで逢って話したいことは 山ほどあるのに言葉が出てこない きみを誘った初めての夏伝えたいことが たった一言が言えずに過ぎた夏 どんなに離れても忘れた日はなかったすきだと思わない日はなかった届かない恋でも それでも 微笑んでくれたか…

森羅万象

窓の外がたとえば一面の雪でも僕の心は真夏へ飛ぶ僕の時間をきみが止めた恋はいつも そこにだけあるんだ 夜通しのから騒ぎを 焦燥をこの手が忘れないきみの眼を 声を 微笑みをこの胸が忘れない だから紡ぎだす文字は夏で 片恋で きみなんだ笑ってもいいよ き…

観覧車

きみは何か 言おうとしたまま下を向いた ここは観覧車降り出す雨 人影の消えた 遊園地で 塞ぎ込むふたり 好きなだけ濡れて心まで濡れて 言葉もなく 激しくなる 雨から逃れて滑り込んだ 狭い観覧車思い出には ならない言葉をできるなら 聞かないでいたい 不規…

しるしをつけよう

だれのものでもない夏のだれのものでもない海にふたりだけの 恋のしるしを刻もう なんてことはない夜のなんてことはない月に思いつくだけの あまい願いをかけよう 力の限り日常を駆けて この世の涯までどんな夢も愛も膨らませて 命の終わりまで 噛みすぎたく…

灰とダイヤモンド

弾んで 微笑みを返してまだ始まったばかりきみと僕の夏 眩しすぎて目を逸らすよああ神様 胸が苦しいよ一生分の運を投げ出して からっぽになったっていい指と指が触れてこの瞬間が最後でいい残らず 灰になったっていい 仕草が 胸を貫いたらもう言葉じゃないん…

晩夏

なつかしい夢で目を覚ます淡い余韻に胸を熱くするうそみたいだね それだけでこんなにも 涙が出るなんて 小麦の肌を鳶色に変えてよく似たふたり 意地っ張りなひとみ恋の意味も知らずに 駆け抜けた 海沿いの道を宵闇の風の中を夏の花の種を盗みながら夏の花を…

かぞえうた

ひとつだと云った心ふたつに割れて いまは身ひとつの悲しみ酔い覚めの夏の朝にいつ果てない夢をみるむかしむかしと嘲笑って七夜月を迎えるやわらかな胸のここの この傷に触れて遠い雷鳴を聞く 通り雨に打たれて呱呱の声を上げる夜叉の姿そのままに斜めに見る…

kill me

それは冷たい夏の冷たい夜できみは強い風に身体をすくめる 瞬間で恋に落ちて飛んで跳ねた成れの果ての別れの月のない夜 きみからは 何も言わせないヘッドライトが切り裂く タールのような夜足下に広がる黒い海 完全に何もかもが 壊れてしまうまでこの腕がち…